キューピッド
キューピッド
「おっす、ミオ、」
俺は悪友であるミオに挨拶をする。
「げ、黒尾……」
そんな悪友のミオは俺を見てあからさまに嫌な顔をした。
かと思えば、俺に連れ立ってあるく夜久をみると明らかに態度を変えた。
無意識みたいだが。
「や、夜久。おはよ」
「っ、おう」
二人とも顔を合わせないように挨拶を交わして、夜久は俺をおいてさっさと自分の席に歩いていった。
ミオはといえば、そんな夜久をみて、ほわほわした表情をしていた。
ミオと夜久は恐らく意識しあっている。
いまんとこ、友達以上恋人未満ってところだ。
こいつらは互いに身長を気にしてからか、なかなか発展しないもんだから、みてるこっちがイライラする。
因みにミオの身長が俺の肩くらいまであんのが主な原因なんだけど。
「しゃーない、一肌脱ぐか」
そんな二人を見かね、俺は一肌脱ぐことにした。
時は昼休み。
夜久とミオを誘って中庭で飯を食うことになった。
いつも通り、何気ない会話が弾む。
「数学の先生、ひどいよね」
「そうそう、黒尾が居眠りすんのが悪いけどな!」
ミオと夜久は楽しそうに話しに花を咲かせている。
「でさ、ミオって背が高いやつが好きなわけ?」
「げほっ!? 黒尾、なに……」
単刀直入に言えば、ミオは噎せて、夜久は興味ないふりをしながらもミオの答えを待っているようだった。
「わ、私。私は女子としては平均より背が高いから……で、でも私は背が高い低いで人を好きにはならないし、むしろ好きな人は……あっ、」
好きな人は、途中でミオは口をつぐんだ。
くそ、あと一押しだったのに。
「夜久はあれだよな、ミオみたいなでかいやつは眼中にないよな?」
「なっ、俺だって身長で人を見てねえよ! つか俺はミオがす……」
夜久もまた、言葉を途中で止めてしまった。
あー、面倒くせえ。
「じゃあ、ミオ的には夜久はありだし、夜久的にもミオがありなら、付きあっちまえば?」
にやにやといってやれば、二人は顔を見合わせ目をしばたかせていた。
「あっ、俺お邪魔むしみたいだから、いくわ」
そうして俺は二人をおいて退席した。
「うまくやれよ、二人とも」
柄にもないことをしたもんだから、どっと疲れた。
数日後、ミオと夜久が付き合い始めたと報告を受けたときには、ようやくかよって周りの誰もが二人の関係を祝福するくらいには、周りには二人が意識しあっていたことはばればれだったりする。
――――――――
千明さまリクエストです。
夜久くんで、友達以上恋人未満、黒尾くんがキューピッドを演じて両思いになるお話です。
期待に添えたかわかりませんが、精一杯書かせていただきました。
リクエストありがとうございました!
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