冷たく暖かく

冷たく暖かく



世間ではクリスマスだのなんだのって浮き足立っている。
クラスの女子も例に漏れずクリスマスの話題で盛り上がる始末だ。

「ミオはクリスマスはどうするの?」

「私? 好きな人のところに行こうかなって」

ああ、最悪だ。
霜月ミオは俺が思いを寄せる相手で、そんな彼女が今吐き出した言葉に、俺はがっくりと肩を落とした。

好きなやつって誰だよ。イライラと悶々と、悔しさが入り交じってどうにかなりそうだった。



だから俺は、霜月の会話を聞いて以来霜月に冷たく当たった。

「夜久くん、あのね」

「わるい、俺用事あるから」

無下に扱ったり無視してみたり。
ガキなのは承知の上だ。どうしても俺は、嫉妬心には勝てなかった。



そうしていざ迎えたクリスマス。俺は家に籠りテレビを観ていた。
テレビに映るのは、きらびやかなツリーやら楽しそうな恋人たちばかり。

「つまんねぇ」

ぷつ、っとテレビを消したときだった。

ピンポン、家のチャイムが鳴る。
今日はあいにく両親までもがクリスマスで出掛けて居なかったため、俺は重い腰をあげて玄関に歩く。新聞の勧誘だろうか。

「あ……」

だけど玄関の前にいたのは、霜月だった。
手にはケーキが入っているであろう箱と、ラッピングされたプレゼントらしきものを持っている。

「夜久くん、あの……迷惑だったかな?」

「え、あの。え??」

訳がわからず霜月を見れば、霜月は首をかしげて笑う。

「私、夜久くんが好きだから……よかったらクリスマスパーティー、一緒にやろう?」

好き? 俺を?
驚きのあまり、霜月を家にあげるのを忘れて言い返す。

「だって俺、冷たくした……それに、プレゼント用意してない」

それでも霜月は笑ったままだ。
俺は意を決して霜月をまっすぐに見る。

「けど、俺も霜月が好きだ」

少し声が上ずった。
だけど霜月はそんな俺に目一杯の笑顔をくれた。

「夜久くんの告白が、何よりのプレゼントだよ」

寒い聖夜の暖かいパーティーが幕を開ける。



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メリークリスマス!



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