嫌がる彼女

(「しどろもどろ」続き)

嫌がる彼女




昼休み、幼馴染みのクロの教室を訪ねれば、いがみ合うミオとクロが見えた。
関わると面倒くさそうだな、おれは引き返そうとしたけど、運悪くミオに見つかってしまう。

「研磨〜助けてよ!」

おれに気づくなりミオはクロから逃げるように走りよってくる。助けてって、まだ"あのこと"で揉めてるのか。

「嫌だよ面倒くさい」

「研磨ひどい!」

おれの腕にすがるミオは、あからさまに拗ねた顔をする。ていうか、おれにふらないでよ。

「ミオお前な、研磨が助けるわけないだろ。だって研磨はおれの味方だからな」

「そうなの?」

ああ、面倒くさすぎる。おれはミオとクロから距離をとる。

「そんなに公衆の面前でイチャイチャしたいなら、すればいいじゃない。恋人同士なんでしょ?」

ため息混じりに言えば、クロは勝ち誇ったように笑い、ミオは面食らったのか口をポカンと開けていた。




ミオはなかなか、俺とイチャイチャするのが恥ずかしいらしい。
恋人なんだから、イチャイチャしたくなる俺の気持ちも考えろって話だ。

「ほらミオ、手ぇ繋ぐぞ」

「や、やだよ。研磨、助けて」

今日も今日で、昼休みの廊下を幼馴染みの研磨と三人で歩く中、ミオはといえば俺から一歩離れた場所を歩いている。

「研磨は助けないだろ。だってイチャイチャしたければすればってこの前言ってたし」

「クロ、おれを巻き込まないで」

心底嫌そうにする研磨は、何だかんだ俺たちに巻き込まれている。

とは言え、ミオが嫌がる以上、俺が無理矢理どうこうできるもんでもないのも事実だった。
それだけ俺は、ミオに惚れ込んでいる。

「まあ、仕方ない、か」

「鉄朗?」

俺の呟きに、ミオは疑問符を漂わせ、一方の研磨は呆れたようにため息をつくのだった。



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千明さまリクエストです。
黒尾くんで、「しどろもどろ」続きです。
期待に添えたかわかりませんが、精一杯書かせていただきました。
リクエストありがとうございました!




160903