魔導士物語
魔道師物語
私、霜月ミオは魔道師見習いの女の子である。
最近、この世界を牛耳っている大王及川に立ち向かうべく鍛練をつみながらの旅をしている。
「くっ、だめだ。こんなんじゃ及川は倒せない」
雑魚モンスターが転がる野原で、私は悔しさから杖を地面に叩きつけるように投げ捨てた。
そのとき、ざわ、と草が凪いで、私は後ろに感じた気配に振り返った。
「だれ!?」
「あ、すみません」
そこにいたのは凛とした少年だった。
背丈は私よりかなり高いが、年のころは同じだろう。
「なにしてるの?」
「怪しいものではありません。俺は、赤葦京治。魔道師見習いです。あなたのお手並みを拝見していました」
丁寧な物言いと雰囲気に、私は警戒をとき地面に転がる杖を拾い、彼に近づく。
「あなたが大王及川の手下でない証拠はあるの?!」
「……ありませんね。でも、あなたは人を見る目はあるかたでしょう?」
見透かすような物言いに、私の毒気は抜かれてしまう。
「それで、赤葦は、何が目的なの?」
「仲間を探していました。あなたとなら、よき仲間、ライバルになると思いますが、いかがでしょう?」
ふっ、と挑発的に笑う彼に、私はなぜだか丸めこまれてしまう。
「し、仕方ないわね」
「ありがとう。ところで、名前は?」
彼の優しい笑顔に、不覚にもときめいている自分がいた。
「ミオ。霜月ミオ」
「ミオ……。ぴったりな、いい名前ですね」
こうして私たちは大王及川を倒す旅に出た。
だが、その途中、ほかの勇者だかなんだかが、大王及川を倒したと風の噂で聞いた。
「平和に……なったの?」
「そうみたいですね」
私は少しだけ落ち込んだ。
大王を自分で倒せなかったからではない。
私と赤葦は大王を倒すために一緒に旅をしていたわけだから、私たちの関係はもう終わりなのだ。
「赤葦。私たち、もう、旅する理由がなくなったね。げんき、で、!?」
私が別れを告げようとしたら、私は赤葦に抱き締められていた。
え、なんで?
「そうだね。大王は一緒に倒せなかった。でも、これからの人生を一緒に過ごすことはできるよね? ミオ、結婚しよう?」
「あ、かあし……?」
こうして魔道師ミオと、魔道師赤葦の物語は、いきなりのハッピーエンドを迎えたのだった。
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水華さまリクエストです。
赤葦くんでFHQパロです。
期待に添えたかわかりませんが、精一杯書かせていただきました。
リクエストありがとうございました!
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