後悔



後悔





「な、だって京治だって悪いでしょ!?」

「な、ミオ、開き直るの?!」

きっかけは些細なすれ違いだった。

恋人であるミオが教室で立ちくらみを起こした。
その時たまたま近くにいた男子がミオを抱きとめ、ミオはその男に横抱きにされて保健室へと連れて行かれた。

その男子はミオに思いを寄せていて、だからきっとミオの異変にも気づいたのだ。

俺はその時ちょうど部活の朝練を終えて教室に入ったばかりで、ミオに何が起きていたのかさえわからなかった。

倒れそうになったミオはその男に抱かれて教室を出て行った。

そう、俺が悪いのはわかってる。

「もう、京治なんて知らない!」

そういってミオは教室を出た。

いつもなら一緒に帰るのに、その日に限って一緒には帰らなかったし、メールも電話もしなかった。




翌日、ミオは学校を休んだ。
昨日体調が悪かったからそれが尾を引いてるのかな、なんて安直に考えた自分を俺はこの後後悔する。

朝のチャイムがなったのにその日担任は朝のHRには現れなかった。
1時限目が始まるかというころ、あわてた様子の教師が入ってきて、簡潔に用件を伝えると、一時限は自習になった。

ミオが交通事故にあった。

俺はいてもたってもいられなくて、職員室に走っていた。

教師から半ば強引にミオのいる病院を聞き俺はミオのもとへ走り出す。



病院につくころには汗だくだったし息が切れて肺が苦しかったけど、それでも俺はミオの病室まで全力で走った。

「ミオっ!」

病室のドアを勢いよく開ければ、ベッドに座るミオの姿があった。

ああ、無事だ。いきてる。イキテル

俺はよろよろとミオのもとに歩き、ミオを抱きしめた。
消毒の匂いが鼻につく。

「け、京治? どうして……学校は?」

不思議そうにするミオに、俺は震える声で言う。

「よかった。生きてて、よかった……」

その言葉にミオは瞳を揺らしていたけど、大げさだな、照れたようにでもうれしそうに俺を抱き返してきた。



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90万ヒット企画より。
「喧嘩をしてしまい、彼女が事故にあう切甘なお話し」


151023