手に入れたい

手に入れたい



がんっ!
俺は彼女を壁に追い込みその顔の横に手をおいた。
彼女は訳がわからない様子で俺を見ていた。




なぜこんなことになったかといえば、それは確か彼女にも問題があると思う。
ひとつ上の霜月さんは、梟谷バレー部のマネージャーだ。

俺はバレー部に入部したときから彼女が気になっていた。

そして日増しに彼女への関心は膨らむばかりで、これが恋だと気づいたときには、俺は少しずつ彼女に自分をアピールした。

「霜月さん、お疲れさまです」

「赤葦、お疲れさま?」

なにかにつけて彼女に話しかけたり、ドリンクやタオルをもらうときに熱い視線を向けたりした。それから、さりげなく手に触れるように物を受け取った。

「霜月さんって、好きな人いるんですか?」

「え? なに急に!」

さりげなく、恋の話を持ち出した。

「いや、こんなに素敵な方だから、もうだれかお相手がいるのかなって」

「あはは、赤葦ったら!」

それでも彼女は俺の気持ちに気づくことはなかった。


それから一年ほど粘ったが、なかなかどうして、彼女には俺の気持ちが伝わらなかった。



そんな放課後のこと。
誰もいない教室に霜月さんと二人きり、俺は彼女に詰め寄るように言った。

「霜月さん、俺。霜月さんが好きです」

「へ?」

間の抜けた顔、声。
ああ、やっぱり気づいていなかったのか。

だから俺は次には霜月さんを壁に追い込み顔の横に手をおいた。
いわゆる壁ドンだなんて、俺らしくもないのはわかってる。

「好きです、って言ったんですけど?」

俺の言葉を理解できていないであろうこの人に、もう一度止めを刺すように言う。
見下ろす彼女は目を見開くばかりでなにも言わない。

それが俺をいらだたせて、気づいたら霜月さんの唇を奪っていた。

霜月さんは咄嗟に俺を押し退けようとしたけど、俺は彼女の頭をがっちりホールドして逃げ場をなくす。

深く弄んだあとに唇を離せば、やはり彼女はなにも言わずに瞳を揺らすだけだった。

「……俺、諦めませんから……」

そんな言葉、強がりでしかなかった。
諦めないだなんて、俺はそんなに我慢強くはない。

だけど、やっぱり彼女が好きな気持ちを忘れることなんかできなくて手に入れたくて、俺は彼女を置いて部活へと向かうのであった。


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晴さまリクエストです。
赤葦くんで、年上の夢主、壁ドンからの無理矢理キスです。
期待に添えたかわかりませんが、精一杯書かせていただきました。
リクエストありがとうございました!


160315