姉さんと呼ばれた人
姉さんと呼ばれた人
休日の部活をする体育館に、珍しい人が現れた。
「あっ、ミオねーちゃん!」
木兎さんの声に皆がその人物を一斉に見た。
「ミオちゃんさん!」
雀田先輩、白福先輩が顔を明るくする。
「ミオ姉さん!」
木葉さん小見さんが敬愛の目で見る。
ミオさんは久しぶり、と軽く手を振った。
ミオさんはもとバレー部マネで木兎さんの姉で大学生だ。
ふわふわしてして、騙されやすく、可愛らしい性格な上、スタイルもよく、今日なんかは茶色い髪を右にサイドテールにまとめていて、正直どきどきした。
「お久しぶりです、ミオさん」
「あ、赤葦くん……久しぶり、」
ミオさんは俺を見ておどおどと返事をした。ああ、まだ気にしてるのか。俺は彼女とどう関わればいいかわからなかった。
はじめて会ったとき、"赤葦ちゃん"と呼ばれた。それが子供扱いされてるようで嫌で、つい強く言い返したことがある。
「"赤葦ちゃん"なんて、子供じゃあるまいし、迷惑です」
その時の彼女の顔は忘れない。それからどこか俺を避けるようになっていた。
「赤葦よ、いくら木兎のお姉さんでも、"ミオさん"は馴れ馴れしくね?」
木葉さんが俺に言う。
「そうですか?」
むしろ逆だと思う。"姉さん"だなんて呼ぶ勇気、俺にはない。
「ミオさん」
「えっ、なに?」
皆の輪の中心にいたミオさんに、自然に話しかけていた。
「大学のはなし、聞かせてください」
どきどきする心臓を治め、彼女に話しかければ、彼女は小さく返事をしたあと、大学での話を始めた。
ねえ、ミオさん。あのときはすみません。仲良くなりたいです。そんな言葉は、やっぱり出てこなかったけど。
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千明さまリクエストです。
赤葦くんで一年のとき「赤葦ちゃん」呼びされ強くいってしまい夢主が怖がるお話です。
期待に添えたかわかりませんが、精一杯書かせていただきました。
リクエストありがとうございました!
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