サマータイム

お弁当




ある日の昼休み、私は意を決して京治くんの教室へと歩き出す。手にはお弁当の包みを握りしめている。

「京治くん、あの……」

教室につくなり京治くんを見つけた。ゆっくり歩みより、彼の前で立ち止まる。

「どうかした? ミオ」

京治くんは席を立ち私を見下ろして首をかしげる。かっこいい、はずかしい、どうしよう。

「あっあの、これ!」

恥ずかしさのあまり京治くんを見ないでお弁当の包みを彼に押し付けるように渡した。

「ミオ……ありがとう」

京治くんはお弁当を受けとると、そのまま席に座る。

「……ミオの手作り、かな?」

「あ、うん。一応……」

私は目だけを京治くんに向ける。優しく笑っていたかと思ったら、おもむろに手を取られる。

「えっ」

そしてそのまま手にキスをされた。
慣れない料理で傷だらけの、手に。

「俺のためにありがとう。すごく嬉しい」

ふわっと笑った彼と目が合う。ああ、頑張ってよかったな。

「でも味の保証は、……出来ないけど」

「そうなの? 絶対美味しいと思うけどね」

京治くんの笑顔が胸に染み渡った。


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穂香さまリクエストです。
赤葦くんでお弁当を作ってあげるお話です。
期待に添えたかわかりませんが、精一杯書かせていただきました。
リクエストありがとうございました!


160706