誰が好き
誰が好き
霜月は同じクラスで赤葦に思いを寄せる悪友だ。
「赤葦くんってかっこいいよね」
「まあ、二年でレギュラーだしな」
当たり障りない会話をする俺は、ずるい。
俺は霜月が好きなのに、その気持ちすら伝えられないのだ。
私は木葉が好きだ。それはバレー部のみんなが知っていることなのに、当の木葉だけは気づかない。
だから私は、木葉を焦らすように赤葦くんを誉めてみたのに。
「赤葦くんってかっこいいよね」
「まあ、二年でレギュラーだしな」
そっけない返事。
嫉妬も怒りもないその返事は、私を落胆させた。
木葉は私に興味がないのだろうか。
そんなある日、赤葦くんが私の友人と付き合い始めた。
「霜月、いい加減素直に言わなきゃ一生伝わらないぞ」
鈍い木兎にまで言われてしまい、私は意を決して木葉に告白した。
「私、木葉が好き」
ある日、霜月に告白された。訳がわからなかったが、つまりは霜月は、赤葦が他のやつと付き合い始めたから、俺を代用品にしたいだけだろう。
くっそ、腹立つ。
「俺は赤葦の代用品じゃねえよ!」
「木葉?」
「赤葦がダメだから俺にすんのかよ! バカにするな!」
怒鳴り付けて、我に返る。だけど霜月は目に涙を浮かべ、体育館を走り出ていた。
「木葉さん……」
「あ、赤葦。いたのか」
気づけばバレー部の面子がいた。どうやら今のやり取りは筒抜けだったらしい。
ほんと、情けない。
「木葉さん、霜月さんが本当に好きなのって、木葉さんですよ?」
赤葦が冷静に言えば、木兎まで大きく頷いた。
「そうだぞ。木葉が気づかないから、気を引くために赤葦を誉めてたんだって」
ああ、俺は馬鹿だ。
俺は体育館を走りだし、霜月を探していた。
誰もいない屋上に、霜月はいた。
「霜月」
「っ! 木葉」
名前を呼べば、霜月は目を擦り涙を隠す。
「俺、俺は」
「ごめん、私、木葉を傷つけた」
何で謝るんだよ。
自分に腹が立って、無理して笑う霜月を抱き締めていた。
「俺は霜月が好きだ! だから遠回りなことするなよ!」
「木葉?」
「気づかなかった俺も悪いけど、分かりにくいお前も悪い。好きなんだよ」
かっこ悪い告白。
でも、霜月は笑ってくれた。心からの笑顔。
誰が好きかなんて、知らないのは俺だけだったんだ。
――――――――
優月さまリクエストです。
木葉くんで、切甘からのハッピーエンドです。
期待に添えたかわかりませんが、精一杯書かせていただきました。
リクエストありがとうございました!
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