僕の隣

僕の隣




一緒にザリガニを捕りに行った。俺がバレーを始めれば、彼女もバレーを始めた。
いつも一緒、ずっと一緒。隣を歩いていけるんだと思っていた、信じていた。

烏野高校に入学してしばらくした頃だった。
幼馴染みのミオが事故に遭った。
幸い命に別状はなかったけど、ミオは腕を悪くして、バレーが出来なくなった。

「ミオ!」

「っ、翔くん……」

そんなある日の昼休み。俺はいつも通りにミオに話しかけたのに、ミオは少し身構えるように返事をした。

「なあ、ミオ。怪我の具合はもう大丈夫か?」

「う、うん。怪我は、ね」

ミオは表情を曇らせた。なんだかミオは、あの事故以来、俺を避けている感じがした。

「ミオ、何かあった?」

「……なにも、ない」

嘘ついてるって、わかる。ミオは嘘をつくとき、右下を見る癖がある。幼馴染みである俺にしかわからない癖だ。

「なんで嘘つくの?」

「嘘なんか……翔くん」

ミオはなにか言いかけてやめたようだった。

「なあ、ミオ。今もバレー好き?」

「っ、翔くん?」

ミオは驚いたように俺を見る。あ、俺は。ミオの揺れる瞳に射止められる。
俺は、ミオが好きだ。
一人でなんか、歩いていけない。いつだってミオが隣にいたから、頑張れた。楽しかった。

「うん、ミオ。俺、ミオが好きだ。ミオがバレーできない分、俺が頑張るから。だからマネージャーとして、俺と一緒に春高に行ってくれないかな?」

俺はミオが好きだから、だからどんな形でも、これから先もミオと歩いていきたい。隣を歩いてほしい。

「翔くん。……うん、うん。私も、好きだよ。春高、行こうね」

そう言ったミオは目を潤ませながら笑うのだった。

君の隣、僕の隣。

これからもずっと一緒に歩いていきたい。


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100万hit企画
千明さまリクエストです。
日向くんで、幼馴染みからの恋人です。
期待に添えたかわかりませんが、精一杯書かせていただきました。
リクエストありがとうございました!



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