血縁
血縁
「あれ、猛くん、久しぶりだね?」
日曜の午後、俺は恋人であるミオの家を訪ねていた。そこにミオの甥の猛が現れた。及川さんに連れられて。
「ミオ姉!」
猛はミオを見るとミオにかけより抱きついた。
「甘えただなぁ」
そんな猛をミオは優しく抱き返す。隣にいた及川さんは顔を歪めていた。
「ねえ、ミオ? お兄ちゃんにお帰りは?」
「あ、いたの、"徹"」
ミオはしれっと言うと猛にまた視線を戻す。勝ち誇った顔の猛と、悔しがる及川さん。相変わらずミオは及川さんに冷たいな。
「あ! 久しぶりだな、あきら!」
「こら、英"お兄ちゃん"でしょ?」
ミオはふわりと笑って言う。
「いいよ、ミオ。久しぶり、猛」
猛はちょっとませてるけど、俺を慕ってくれているのは分かるから、なんだかんだ俺も可愛がっている。
「ミオ姉、あきら。なあ……」
可愛くないのは血筋だろうか。猛といいミオといい、俺の扱いがひどすぎる。
呼び捨てな上に辛辣な言葉を向ける二人は、なるほどどうして血が繋がっているのは納得してしまう。
「ミオ姉、あきら。なあ……」
そんな風に俺がショックを受けていれば、猛は国見ちゃんとミオを見てとんでもない発言をした。
「ミオ姉とあきらは、ちゅーしたのか?」
「え? うん。そうだね」
ちょっと待って、ミオ。なにさらっと答えてるの? てか国見ちゃんキスしたのかよ、俺のミオに!
「あきら、ミオ姉とえっちした?」
「え、ああ。まあ……」
まてまてまてまて。
何から突っ込めばいい?
猛が国見ちゃんを慕っていること?
いやいやいやいや、違う。
ちょっと待ってよ、国見ちゃん、俺のミオにもう手ぇ出してたの? 聞いてないんだけど?
え、待ってなんで俺の前で堂々と答えるの? ってか、なんで子供の質問にマジで答えてるの?
「ねえ、徹、さっきからぶつぶつうるさい!」
「なっ、ミオ! 徹"お兄ちゃん"でしょ? ってか、国見ちゃんも国見ちゃんでしょ?」
何が言いたいのか自分でも分からなくなった。なんなんだ今日は。俺、しばらく立ち直れないかもしれない……。ミオが……。俺のミオがっ!
及川さんはズーン、と沈んでさっきから固まっている。及川さんをここまで追い詰められるのはミオとあとこの、猛くらいだろう。
「なあ、あきら」
「うん、なに?」
ミオが席をはずした時だった。猛が俺を見上げてにかっと笑う。
「俺、あきらには負けないぞ。ミオ姉と結婚するのは、俺だからな!」
面食らった。
ああ、この子は確かに及川さんの甥なだけはある。この勝ち気な挑発的な笑いは、確かに及川さんにそっくりだ。末恐ろしい。
「俺も、負けないよ」
子供の言葉にむきになる俺も俺だけど、及川さんの甥っ子だ。本当にやりかねないと思ってしまった。
――――――――
千明さまリクエストです。
国見くんで「君のまま」続き、猛くんと及川くんと四人で対面、及川くんが国見くんに嫉妬、猛くんが大胆な恥ずかしい質問をし及川くんが崩れ落ちるお話です。
期待に添えたかわかりませんが、精一杯書かせていただきました。
リクエストありがとうございました!
160411