She is a very dear girl.

(「who are you?」続き)


She is a very dear girl.



「へー! この子が噂のメイドか! 可愛いな!」

「でしょー? 俺の待ち受け!」

俺はそう言って岩ちゃん始め部活の仲間にスマホの待受を見せる。そこに写るメイド喫茶のご指名ナンバーワンのメイドちゃん。実はこの子は同じクラスのミオちゃんだったりする。

「俺も見に行きてぇ」

「無理だよ、この子、指名ナンバーワンだから忙しいんだよね」

嘘。
ミオちゃんを他の男に見せたくないからだなんて、死んでも言えないけどね。




ああ、何でこんなことになったのだろうか。

「まじかわいいらいいぜ。そこの指名ナンバーワンのメイド。俺も行こうかな〜」

同級生を始め先輩後輩関係なく、メイド姿の私は有名になっていた。何でこんなことになったのか。私がため息をついた時だった。

「あ、ミオちゃーん! おはよう!」

朝練を終え、教室に入ってきた及川くんが私に手を振る。恥ずかしくて目立ちたくなくて、私は小さく頭を下げるだけだった。

及川くんは私がみんなが噂する指名ナンバーワンのメイドだと言うことを知っている。知っていて私に関わってくるのだ。
しかも、彼のせいで"メイド姿の私"がかなり有名になっていて、私は気が気じゃなかった。
いつかそのメイドが私だと彼にばらされるのではないか。

「あれ? ミオちゃん、元気ないね?」

「っ、気のせいです……」

私は慌てて取り繕う。及川くんは面白そうに私を見ている。
なんで彼が私に構うのか、分からない。

「ねえ、ミオちゃん……」





最近は、学校でミオちゃんに会うと自然に話しかけている自分がいた。
一目惚れというのは厄介だ。
だけど、もっと厄介なのは、ミオちゃんが俺の気持ちに気づいていないことの方かも知れない。

「ミオちゃーん、おはよう!」

そうして今日も彼女に挨拶をすれば、相変わらず彼女はあたふたと慌てる。
いい加減、慣れてほしいものだ。

「元気ないね?」

「っ、気のせいです……」

ああ、気のせいなわけないじゃないか。

「ねえ、ミオちゃん……いや、なんでもないや」

「? うん?」

言いそびれた。君は、かわいい。だなんて、そんなことを言ったら君がどんな反応をするのか怖かったから。
でもさ、ミオちゃん。君はほんとに、かわいいよ。


She is a very dear girl.
(彼女はとてもかわいい女の子です)



――――――――
千明さまリクエストです。
及川くんで「who are you?」続き、及川くんに完全にばれ、地味な夢主に手を振り慌てるお話です。
期待に添えたかわかりませんが、精一杯書かせていただきました。
リクエストありがとうございました!



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