はっきりしない

はっきりしない




岩ちゃんはバレーばかだ。それはみんな知っている。だけど、俺は幼馴染みのミオちゃんの悩みも知っていた。

ある日の練習風景、そこにいたミオちゃんは、岩ちゃんに然り気無く訊いていた。

「一って好きなひといるの」

「ああ? いねえかな。つーかバレーで忙しいからそんな暇ねえよ!」

幼馴染みの岩ちゃんはあっさりとした答えを出した。
そんな岩ちゃんをミオちゃんはホッとしたように見ていた。

岩ちゃんはミオちゃんを好きだ。なのにいつもこうやって、バレーバカを演じてミオちゃんにちゃんと気持ちを伝えない。

「ミオちゃん、岩ちゃんって素直じゃないよね。どう見たって岩ちゃんはミオちゃんが好きなのに」

部活終わり、岩ちゃんの前でミオちゃんに言った。

「徹ちゃんっ?」

ミオちゃんは目を見開いて瞳を揺らしていた。ねえ、岩ちゃんはミオちゃんが好きなんじゃないの?

「なっ、この及川っ!」

岩ちゃんは激怒し、その日俺と岩ちゃんは喧嘩をした。



先日、及川がよけいなことを言ったから、俺はミオとの距離がわからなくなっていた。
及川は俺の気持ちを知っていてこういうことをする。

「おい、及川」

「なに? やっと決心した? 岩ちゃんはミオちゃんのこと、好きなんでしょ?」

それでもいつもと違う真面目な様子の及川に、暫し膠着状態が続く。

「……俺は。俺だってミオちゃんが好きだから。だから見てらんないんだよ」

及川の止めの言葉に、俺はようやく決心した。


昼休み、ミオを屋上に呼び出した。

「ミオ、俺はミオが好きだ」

「え、一……?」

一世一代の告白に、ミオは心底嬉しそうに笑うと、私も。小さく返事をした。


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千明さまリクエストです。
岩泉くんで幼馴染みからの恋人です。
期待に添えたかわかりませんが、精一杯書かせていただきました。
リクエストありがとうございました!



160510