かやのそと(「
兄妹」続き)
かやのそと
俺の恋人は、兄と仲がいい。最初は然して気にしていなかったけど、最近その関係が普通ではないように感じていた。
「一くん、徹兄、お疲れさま」
ふわり、笑うミオは俺と及川を見て首をかしげた。
昔なら何とも思わなかったこの挨拶も、最近は俺の胸を締め付ける。
「お疲れさま。ミオ」
妹に笑顔で返す及川は、いつもからは想像できないくらい穏やかな顔をしている。
なんだこの違和感は。
「あ、俺先に着替えてくるわ」
「うん、じゃあ待ってるね、一くん」
居たたまれなくなって逃げるようにその場をあとにした。
なんだこれ。俺は及川に嫉妬しているのだろうか。
……まさかそんな。いくら仲のいい兄妹だからって。
でもその嫉妬心の原因を、俺は知ってしまった。
「好きだよ、ミオ」
「私も。徹兄が好き」
忘れ物をして体育館に戻れば、ミオと及川が抱き合っていた。
その様子は、兄妹としてのものとは明らかに違った。
ずきずきずきずき。
胸が締め付けられる。息が苦しい。
なんだ、なんだ。はじめから、俺はかやのそとだったのか。
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HALさまリクエストです。
及川くんで「
兄妹」続きです。
期待に添えたかわかりませんが、精一杯書かせていただきました。
リクエストありがとうございました!
160712