ぎくしゃく(「
恋らしからぬ」続き)
ぎくしゃく
金田一とのデートから数週間がたった。
あの日の帰りに私は、"また一緒に買い物にいこう"、確かにそう言った。
だがそれは社交辞令にとられたようだ。証拠に、あれ以来金田一はどこかよそよそしい。
「金田一、おはよう」
「え、あ。うん」
「昨日のドラマさ」
「ああ、うん」
最近ずっとこんな感じだ。上の空の返事は、私を苛立たせた。
「金田一、私何かした?」
「えっ? してないよ」
勇気を出して聞いてみれば、金田一は目を真ん丸にして驚いていた。
「じゃあなんでそっけないの」
「や、その……」
「また買い物に行ったりしたいって思ってるのは私だけなの?」
「……! 霜月……」
金田一はいよいよ挙動不審になる。答えに困るってことは、図星だったのかな。
悲しくて切なくなる。
「なっ、泣いて……?」
「泣いてないし」
「泣いてるだろ」
「泣いてないもん」
子供のようなやり取りだ。
何を意地になっているのかと言えば、私だけが金田一を特別だと思っていることが悔しかったのだ。
「私、金田一に嫌われたのかな」
「ちが、違う!」
「違わないじゃない」
「だから! 聞け!」
金田一らしくない、大きな声が頭上から降ってきた。
驚き金田一を見上げれば、かっちりと目が合う。
金田一は私の手を握り、教室をあとにした。
私はされるがまま、金田一について歩いた。
いつになく真剣な顔に、やっぱり好きだと再認識してしまう。
つれてこられたのは誰もいない教室だった。
金田一は私を振り返り、緊張した面持ちで私を見下ろしている。
どっど、心臓が高鳴る。
「俺、霜月が好きだ」
発せられた言葉を理解するのに数秒かかる。
そうして理解した頃には、私の顔は火照りに火照り、私はただただ頷くことしかできなかった。
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ゆふさまリクエストです。
金田一くんで「
それは恋」続きです。
期待に添えたかわかりませんが、精一杯書かせていただきました。
リクエストありがとうございました!
170409