絡まった糸

絡まった糸




私は二口が好きだ。それでも素直じゃない私は、遠回しなアピールをしている。

「茂庭さんってかっこいいよね」

「はあ? 霜月は草食系が好きなのかよ……だけどあれだ、茂庭さんを好きなやつ、もう一人知ってるわ俺」

私の言葉を真に受けた二口が顔をしかめて私にいう。
茂庭さんを好きな人、というのは二口の思い人だ。
私のことなんか、ただの悪友としか思っていないのだろう。

「ばーか、二口のばか」

「はあ?! 失礼なやつだな」

マネージャー業にせいを出す。気持ちをごまかすように、叶わぬ恋に泣かないように。




霜月は、茂庭さんが好きだ。
俺は霜月が好きだったが、当の霜月は気づいていない。

そんなある日、茂庭さんに恋人ができた。
何を隠そう、俺が後押しをしたのだ。

「霜月?」

茂庭さんが告白をした現場に、霜月が鉢合わせた。
霜月はぼろぼろと泣き出し、その場を走り去った。




二口の思い人は、茂庭さんと結ばれた。
あんまりだ、二口がかわいそうで気づいたら涙が溢れていた。

「霜月」

「な、に……」

走り出した私を、二口は追いかけてきた。

「俺じゃダメか?」

二口の言葉が胸に刺さる。投げやりになったのだろうか。
それでも。

「わた、私。二口が好きで、だから二口が失恋したの、見てられなくて」

「え?」

私の言葉に、二口は首をかしげた。

「あのな、俺が好きなのは霜月で……」

「え?」

今度は私が首をかしげる。
つまりは、両思いということだろうか。
なんだ、なんだ。

「二口」

「なんだ?」

「私、二口が好きだよ」

絡まった糸が、ほどけた。


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優希さまリクエストです。
二口くんで切甘からのハッピーエンドです。
期待に添えたかわかりませんが、精一杯書かせていただきました。
リクエストありがとうございました!



160907