後押し
後押し
私と大地は幼馴染みで、でも好きあっている。異性として。
それでも私はなかなか彼との関係に踏み込めないでいた。
「ミオ〜! 澤村がね……」
親友の結は私に抱きつくなり大地の話をしだす。結は何を隠そう大地に思いを寄せている。
「うん、そっか……」
私は上の空で返事をした。ごめん、結。私も、好きなんだよ。私も、大地が大好きなんだよ。心の中に広がる罪悪感が、私を足踏みさせていた。
そんな日々が続いたある日、結は私を至極真面目に見て言った。
「ミオはさ……澤村が好きなの?」
「えっ……や、ただの幼馴染みだよ?!」
嘘。
幼馴染みなんかじゃない。好きなんだって、言えなかった。ごめんね、結。ごめん、ごめん……
ミオが最近上の空で私の話を聞いていることに気づいた。
ミオは隠し事が下手だし、そうじゃなくても親友の私が気付かないはずがない。
ミオはきっと、澤村が好きだ。そしてきっと、澤村もミオが好きだ。
だけどミオは私に気を使って踏み込めないでいるのだろう。ならば。
「結、用事ってなに……て、大地?」
「あ、ミオ。待ってたよ」
私はミオと澤村を中庭に呼び出した。私の一世一大の告白のために。あなたたちの、後押しのために。
「澤村、私、澤村が好き」
「なっ、道宮……俺は……」
澤村はおもむろにミオを見た。隠し事が下手だなぁ。澤村も、ミオも。
「私じゃ、ダメ? 澤村は、好きな人いるの?」
止めに吐き出した言葉に、澤村はこころを決めたようだった。
「悪い、道宮。俺、ミオが好きだ。だから道宮には答えられない」
「……そっ、か。じゃ、私。行くね。あとは二人で話して、ね?」
ああ、これでよかったんだって思っても、涙が目から溢れて止まらない。ほんと、損な役回りだな。
「結、」
「ミオ、幸せになってね?」
表情を曇らせていたミオに、笑顔をつくって言えば、ありがとう。小さく聞こえた声に気付かないふりをして私は二人から離れていった。
――――――――
千明さまリクエストです。
澤村くんで「好きだった、」続き、結ちゃんを気遣って前に進めない夢主にを前に進ませるお話です。
期待に添えたかわかりませんが、精一杯書かせていただきました。
リクエストありがとうございました!
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