不器用彼氏
不器用彼氏
私の恋人は、不器用だ。
見た目は悪くないし部活でも活躍していたから、他クラスの女子が彼を見に来ることも少なくなかった。
まあ、大概彼が寝ながら授業を受ける様子を見て幻滅して帰るけど。
みんな、見る目がないなぁ。
「飛雄くん?」
部活の帰り道、先程から飛雄くんが私を睨むように見ていた。
「何かあった?」
「あっ、その……」
なぜだか緊張する彼は、改まった様子で口を開く。
「今度の日曜、俺んちで勉強を……教えてくれ、さい!」
なぜだか最後は変な敬語が入っていた。同い年なのに、彼はたまにこうして改まった言葉を使う。
それにしても、おうちに上がるってことはそれなりに覚悟が必要だよなぁ。
「い、嫌か!?」
「えっ、いいえ!? 行きますっ!?」
飛雄くんの声に驚き思わず答えていた。
「ミオっ!」
そしてそのまま抱き締められた。あれ、あれれ。
どきどきして、今からなんだか緊張してる。
当日、意識保てるか自信なくなってきた。
160508