義姉
義姉
私には弟がいる。とても粗暴で自信家な彼は、私を嫌っているようだ。
「勝己くん、お帰り」
「あ? バカユキ。何度言ったらわかる、"勝己"て呼べ」
彼は私に吐き捨てるように言う。私が彼に遠慮をしてるのは、彼と血の繋がりがないからだ。
私は養子であったし、歳も私は大学生で離れていたから、何となく気を使っていた。
でも、勝己くんが私を嫌うのは、別の理由があったようだ。
「あ、出久くん。お帰り」
「あっ、ユキさん、ただいま」
家が近い、幼馴染みの出久くん。彼は素直で弱々しかったから、何かと目をかけていた。
「はっ、バカユキがっ!」
「か、勝己?」
ぼんっと手を爆破させて不機嫌さを露にする彼。もしかしなくても、私が出久くんと関わるのが気に入らないらしい。
バカだ、私は。弟を差し置いて、なんで出久くんに目をかけていたのだろう。
その日私は家出をした。
誰かが探しに来るはずもない。私は大学生だから、家出だなんて、誰も気づくはずがない。
「はっ、はぁ、」
私は暗い道をひた走る。私を追う不良たちからひたすら逃げる。
「バカが!」
そのとき、ぼんっと爆発音が聞こえた。
「勝、己」
振り返ったら勝己が不良を追い払っていた。安堵から地面にへたりこむ。
「こんの、バカユキ!」
「かっ、勝己〜!」
怒りながら私に近づいた彼に泣きつく。彼は挙動不審に固まった。
「い、家出なんかすんなっ! お前がいなきゃ張り合いねえんだよ! 俺はお前が嫌いとかじゃなくてむしろ好……なんでもねえ!」
やけに饒舌な勝己に、私は彼を見上げる。照れたように顔をそらしていたけど、なんだ。私は嫌われてなかったのか。
その日以来、私と勝己は少しだけ。ほんの少しだけ距離を縮めた。
――――――――
千明さまリクエストです。
爆豪くんで、血の繋がらない姉が家出し不良にあい助けるお話です。
期待に添えたかわかりませんが、精一杯書かせていただきました。
リクエストありがとうございました!
160505