勘違い

勘違い




「出久くん、おはよう!」

「あ、おはよう、ユキちゃん」

毎朝の日課、私は仲良しの出久くんに挨拶をする。出久くんはあわあわしながら挨拶を返してくれた。

「たく、どけよ、デク」

「あっ、かっちゃん、お、おおおはよう」

そこに現れた私の大っ嫌いな爆豪くんは、出久くんを見下して鼻で笑った。

「んだよ、メス」

「メスじゃないって! 私は冬野。冬野ユキ!」

私は睨むようにして爆豪くんに言い返した。私と爆豪くんの間に火花が散る。そんな私たちを出久くんはやっぱりアワアワと見ているのだ。



中学三年にもなって、あんなあからさまな苛めのようなことをする爆豪くんが、私は嫌いだ。大っ嫌いだ。

「ばか、ばか爆豪」

「んだよメス、まだいたのか」

放課後、特に意味なく教室に残っていたら、爆豪くんが現れた。
忘れ物でも取りに来たのだろうか。
私は開けていた窓を閉め、教室を出るためにドアへと歩く。

「っ! お前、泣いて……」

「っ、! これは……」

先程まで窓を開けて外を見ていたせいか、私の目にごみが入っていて、私の目から涙がこぼれた。
ついてない、こんなとこ見られるなんて。

「あっ、その、わ、悪い! メスっつったのがそんなに嫌だったんか? お、お前がデクと仲良くするからで……な、泣くなっ」

「爆豪くん?」

アワアワと慌てるようすが出久くんと被る。あれ、なんだ。爆豪くんもかわいいとこ、あるんだな。

「ふふ、」

「は?」

思わず笑いが漏れた。目のごみはいつの間にか取れていて、涙は止まっていた。

「ユキ?」

「ああ、ごめん。目にごみが入っただけだよ」

くす、と笑いながら言ったら彼はみるみるかおを赤くして怒っているのがわかった。

「ばーか、ばかが! ユキ、この、……くそっ」

「ばかで結構! 爆豪くんって、案外優しいんだね?」

思ったままを口にしたら、爆豪くんは言葉を詰まらせて、私に背を向けて教室を出ていった。

私は今日、はじめて爆豪くんを知ったのかもしれない。彼は案外、優しいのかもしれない、と思った。


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千明さまリクエストです。
爆豪くんで、出久くんと仲がよくて爆豪くんを毛嫌い、目にごみが入って泣いているのを勘違いし慰めるお話です。
期待に添えたかわかりませんが、精一杯書かせていただきました。
リクエストありがとうございました!


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