興味

(「勘違い」続き)


興味



胸くそ悪ぃ。
あの日、俺は勘違いしてあの女、ユキを慰めた。俺らしくねぇ。なんなんだよ。

まあ、急に泣かれたら多かれ少なかれ慌てんのが普通だろうけど。けど……

「ふっ」

思い出したらなぜか笑いが漏れた。目にごみが入って泣くとか、どんなタイミングだよ。なんなんだあの女、おもしれぇ。
……おもしれぇ?

「チッ、なに考えてんだよ」

柄にもなく緩んだ頬を引き締める。

「爆豪くん、笑ってる……?」

「あ? 誰だよ」

クラスの女に話しかけられたが、なんだか分からんが苛立った。
つーか、気安く話しかけんなよ。
俺は席をたちユキのもとに歩く。

「おいユキ」

「なに、爆豪くん?」

んん?
なんだこれ、さっき他の女に話しかけられた時とは逆。なんだかワクワクするような感覚。

マジか、俺。

「ちょっと面貸せや」

そうして俺はユキを連れて誰もいない教室に入っていく。

「爆豪くん、え?」

ユキを振り返った刹那、机にユキを押し倒す。

あの日の、ユキの泣き顔が俺を欲情させた、だなんて滑稽な話だ。

「なあユキ、責任とれや」

「えっ、え?」

組み敷くユキは目をしばたかせた。鈍いやつ。
ま、お前がどうしようが、俺はお前をヤるけどな。

「ユキ、」

「や、やだ、爆豪くん、」

弱々しい抵抗なんか無駄だ。そう、思ったのに、俺の体は動かない。
なんだこれ、なんなんだ。

「ちっ、くそが!」

自分で自分がわからなくなって、俺はユキの上からのいた。
くそ。くそ!

「爆豪くん、?」

「失せろ」

俺から解放されたユキは不思議そうに俺を見ていたが、そそくさと教室を出ていった。

頭から離れない。あいつのことが、頭から離れないのだ。
なんなんだこれは、なんなんだ俺は。

自問自答しても答えなんかでなかった。



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千明さまリクエストです。
勘違い」続きで、泣き顔を思い出して欲情して押し倒すも何もできないお話です。