励まし励まされ

励まし励まされ



その子は花のように笑う。
とある町のとある家のとある女の子。俺とその子は旅の途中で出会ったのだけれど、その子には親兄弟が居なかった。だからその子は俺を家に泊めてくれたに違いない。弱くて情けない、鬼殺隊の俺を。

「##NAME1##ちゃんどうしたの暗い顔して」

「善逸くん……ううん、何かお父さんとお母さんを思い出しちゃって」

このご時世、刀を携えた俺のような存在は忌み嫌われる。とうの昔に廃刀礼が出ているのだから。

そんな俺を、この子は疎む訳でもなく、家に泊めてくれたのだ。
だけど、どうやら俺のせいで家族のことを思い出してしまったらしい。

「ごめんね##NAME1##ちゃん俺のせいで嫌なこと思い出させて」

「いえ、善逸くんのせいじゃ――」

「俺には家族はいないし弱くて泣いてばかりだけど悩みくらいなら聞くし……いやでも俺なんかで役に立つわけないよねわかってるけど――」

「ま、待って、善逸くん?」

「そうだよね俺が悪いんだよね全部、ああっ俺ってなんでこんなんなんだろ」

いつのまにか自分の愚痴になってしまっていた。いつだってそうだ。俺は自分が大嫌いで、だけど思い描いてしまう。みんなの役にたつ自分を。

「ぜ、善逸くん。そんなことないよ」

「##NAME1##ちゃん?」

「善逸くんは強いし優しいし、素敵なひとだよ」

「えっ?」

そんな風に言われたのは初めてだった。駄目な俺はいつだって周りに疎まれてきた。それなのに今目の前にいるこの子は俺を素敵だと言ってくれた。

「へへ、嘘でも嬉しいや」

「もう。嘘じゃないです」

だって俺は自分が弱いってことを知っている。だけどこの時だけは##NAME1##ちゃんの言葉を信じたいと思ってしまったのだ。



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穂香さまリクエストです。
善逸くんで励ますお話です。
期待に添えたかわかりませんが、精一杯書かせていただきました。
リクエストありがとうございました!



170703