星屑が舞う朝
人はみな、つよい風の吹く孤独な星のもとに生まれたのだから、せめて自分だけは自分のことをしっかり抱えてやらねばならんのです。
と、いうのが、我らがドゥべ・ドゥーべの言い分でした。相変わらず主語の「私」を「人」と置き換えるクセは治っていないようですが、なかなか良さげなことを言うではないかと、そのときは思いました。
マーマレードジャムをさっとパンに塗るのごとくあざやか、けれども限りなく薄いひかりが差す我が
わたしたちは星々を形づくる細胞として、この星に生を受けてまいりました。
しかし細胞といっても、ただ単にお星さま≠フ中で息づくのではありません。そんなものは、論外です。夜空できらめく星を補助するものとして加わるには、とびっきり優秀──それこそお星さま≠ニ意思疎通ができるような──一心同体とでも言えるかしこさが必要なのです。かしこさとは何を指すのかは分かりませんが、みな口を揃えて大事だと言うのだから大事なのでしょう。残念ながらわたしはそういう難しいことを考えるのがたまらなく苦手です。よく、あんたは
わたしは風の子らのいたずらに負けないよう、真新しい真珠貝の森へ転ばぬよう気をつけました。真珠貝は、墓穴を掘るのに使われています。日々、月のひかりでするどく輝くのは、なんとも不吉です。それにわたしたち自慢のするどい角を削られそうで、いっつもどきどき、はらはらとしてしまいます。通るたびに早く古く、まろくなればよいと、願わずにいられません。
花を超えた先に、青白い城が見えます。銀河の灰色よりも、月の白さよりも、ずうっと透き通っております。庭に飾られている牙たちが、風の子でカタカタ音を立てます。牙には、火が住みついています。それが見えれば、もう城とはそう遠くない証拠です。
やわらかな薔薇の香りが、はらりと火を揺らしていました。あの火はさそりの火ですから、消えることはありません。いつまでも、永遠に、そしてしずかに燃えつづけるとのことなので、はるか昔、この地にそれが灯されたときから、じっと宿っているということになります。
うそっぱちのように聞こえますが、果たして本当にそうなのかはわかりません。だけどわからないから信じるのだし、わからないからこそ美しいのだと、ささやかに思うのです。
風の子たちはやっといたずらに飽きたようで、逆にぐるぐる回りはじめ、北の方に戻っていきました。楽しげな歌声も聞こえたので、きっと明日の朝にはまた無邪気に跳ね回ることでしょう。もう早くは無い時分なので、わたしも瞬いておりました。