授業中だった。
学園から数日歩いた先にある野原。そこで飽きもせずに繰り返される戦を、二人一組になって観察していた。
時間になって引き上げて、期限までにそれぞれの課題についてまとめて提出する。何度か繰り返してきた流れに、私も彼も油断してしまっていた。
だから前を走っていた彼の死角から男が切りかかってきた時、考える暇もなく彼を突き飛ばしていた。敵と向き合った時にはもうどうしようもなくて、鋭い鈍色の衝撃を感じながら、体と意識が下へ下へと落ちて行って──
気付くと私は、見慣れない姿の人々に見下ろされていた。
胸から腹にかけて熱いのに他の全てが寒くて、体は全く動かない。
男女問わず早口で何か話しながらせわしなく動いているけど、その言葉が聞き取れないのは私の意識が朦朧としているからだろうか。
まともに働かない頭がまた遠くへ飛ぼうとしたとき、ようやく理解できた言葉は、幼い少女の声だった。
「しっかりしろ、意識を保て。生きる意志を捨てるな」
← /
top /
→
home