じぇらしー




「ただいま帰りました。」


部屋に入る。

土方さんは相変わらず仕事中だ。
たくさんの書類を、まとめていた。


「でかけてたのか。」

「はい、万事屋にいってました。」

「万事屋か。」

「???」


私を見て、土方さんが不機嫌そうにタバコを吸い始めた。

私、なんかしたかな?


「あ、あの、土方さん?」

「なんだ。早く風呂入って寝ろ。」

「っ、はい!」


怖くて、急いで部屋を出た。


「どうしちゃったんだろう、」


お風呂に入りながら考える。
でも、心当たりがない。

もしかして、この前、話したことかな。


「消えない、」


傷が消えない。
この傷みて、気持ち悪いって思われたのかな。
もうそばに置きたくなくなったのかな。


「っ、消えてよ。」


消えるはずのない傷に涙が落ちる。

泣いたのがバレないように、顔を洗ってお風呂を出た。


「あ、」


部屋に戻ると、土方さんは居なかった。


「っ、なんで、」


すごい不安になる。

止めたはずの涙がまた溢れ出した。


「だめっ、とまっ、て」


こんなに泣いていたら、ダメだ。
嫌われてしまう。


「や、だっ、」


我慢すればするほど、涙が止まらない。


「ひ、じかたさん」

「何泣いてんだよ」

「あ、」


後ろから、強く抱きしめられた。

暖かい。
すごい安心する。


「どうして泣いてんだ。」

「土方さん、今日違うからっ、 」

「何が?」

「さっき、怖い顔しててっ、私なんか、しちゃったかなって、色々考えたんですけどっ、全然思いつかなくて、っごめんなさい」


土方さんは、耳元で「ごめんな」と囁いた。
なんで土方さんが謝るんだろうと、不思議に思っていたら、突然視界が回った。


「お前は何も悪くねえよ」


目の前には、土方さんの顔と天井。
押し倒されたんだなと一瞬で理解した。


「でも、これは気に食わねえ。」

「っ、え、土方さん?!」

「黙ってろ。」


わけわかんなくて固まってると、土方さんの顔が首に近づいてくる。


「ひゃっ、!」


舐められてることに驚き声が出た。

そして、チクリとまた痛みが走る。


「あと何かされなかったか?」

「な、なにを?」

「あの糖分野郎に何もされてねーか?」

「あ、銀さん?!な、なにもされてません!」

「お前は、もう少し気をつけろ」

「???」

「はぁ。鈍感すぎ。これでわかるか?」

「え、?」


急に土方さんの顔が視界いっぱいに広がった。

と、同時に唇に柔らかいものが。


「ん、」


なんで私、キスされてるの?!?!?!


「おい、」

「は、はい!」

「すげー、真っ赤だな」

「わ、笑わないでくださいよ!はじめてなんですから!!!」

「はじめてなのかよ」

「っ、あ、あの!か、確認なんですけど!!」

「あ?」


多分私は、有り得ないくらい顔が真っ赤だ。


「ひ、土方さんは、私のこと、好きなんですか??!?!」


頭をポンポンと撫でられ、また意地悪な笑みを浮かべてきた。


「さぁな。」


そう言って、また私にキスをした。





-


- 12 -

*前次#


ページ:



ALICE+