やさしいひと





ゆっくりと目を開けると、そこは私の知らない世界だった。

セーラー服の私、とても浮いてる気がする。

ここの世界では、着物が流行ってるのかな?
着物率が多い気がする。


「どこに行けばいいの………」


違う世界へ飛ばすのはいいけど、これからどうやって生きていけばいいの。

せめて、お金とか、ちょっとくらい持たせてくれてもいいのに。


「はぁ………。」

「どうかしたんですか?具合でも悪いんですか?」

「え?」


声を掛けられた。

黒い服をきた、男の人。
片手には、袋いっぱいあんぱんが入っていた。


「えっと………」


なんて言えばいいの?!
というか何を聞けばいいの?!

神様に飛ばされて来ました☆

なんて、誰も信じないでしょ!!


「すごい汗ですよ!休んだ方がいいんじゃないですか?!」

「あ、いえ、あの、っ」

「屯所近いから、そこで休んでってください!運びますから!」

「え、え、ちょっ、待って!!」


強引に腕を引かれ、屯所というところへ。


「俺の部屋へ!」

「は、はい、」


何この人。ほんと強引すぎるんだけど。
地味そうなのにすごい強引なんだけど。


「熱はかってください!」

「あのー、私具合悪いわけじゃないんですけど。」

「え?!でも、本当に顔色悪かったし、汗もすごかったじゃないですか!」

「ほら、熱もないです。」


体温計を見せたら、目をぱちくりさせて、私を見て、土下座してきた。

え、なに、なに。


「すいませんんんんん!具合悪いと思って無理矢理連れてきて、しかも初対面の女の子を、こんな部屋に!!」


どうやら、ものすごく反省してるらしい。


「顔、上げてください。わかりましたから。」

「ほんと、すいません、なんか俺、すごい恥ずかしいです。」

「この街に初めて来て迷っていたところだったんです。優しい方がいる街なんですね。安心しました。」

「よ、良かったら、俺、案内しますよ!」

「え?本当ですか?」


それは、とても助かる。

いい人に出会えて、良かった。


「俺、山崎退って言います!」

「山崎さんですね。私はいちごって言います。よろしくお願いします。」

「はい、こちらこそ!」


本当に、いい人だ。





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