つかまってたら。
ギランと一緒の場所にいる必要なくね?


「さあ、彼らの情報を吐いてください。それともこの方がどうなってもよろしいのですかな」
(口調迷子)

そう言ってリデストロは、私に問いかける。同様に捕まっているギランが、わたしから情報を吐き出させるためのだしに使われようとしている。

「そんなおじさん、別にどうなろうが構いませんよ。」
「ハッ、つれないお嬢さんだ。」

予想できていたように、ギランは薄ら笑う。

「ほんとうにそうですかな?」

拷問始める。それを見てるわたし。決して気分の良いものではない。繰り広げられる惨たらしい場面に顔を歪める。ギランの痛みに耐える声が聞こえる。どうしよう。どうでも良いわけないだろう。自分のせいで誰かが犠牲になるなんてできれば避けて通りたいものだ。個性を使って状況を打破できないこともないが、弱っているギランを庇いながら一人でリデストロの相手をするのはきつい。いやでも、やらなきゃ。

「もうやめて!わかった。言うから」

こっちに来い。間合いに入った瞬間に個性を使って気絶させてやるから。

「ほう?どう言う風の吹き回しですかな?先程まではあれほど強気でいらっしゃったのに。」

リデストロは、ギランを弄っていた手を止め、こちらに振り返る。そしてわたしを視界の端に入れると、ゆっくり近づいてきた。

「別に。ただ、思い出しただけだ。」
「ふむ。それは何を」
「話す必要はない」
「まあいいでしょう。では、あなたが持っている敵連合の情報、教えてください」

来た。個性を発動する。空気中の酸素濃度を操って薄くする。一息吸えば、少なくとも数分は眠ったまま。その間にここから抜け出す、という、その筈だった。

なんか仁君きた。

「ギラン、エアリアル!助けに来たぞ」
みたいなこと言う。

分裂した仁君はあっという間に私たちの背後に回り、拘束を解いてくれた。

「トゥワイス、状況は?」

トゥワイスが、しがらき達の状況を教えてくれる。

「そう。ちょっとくらい加勢行きたいところだけど、この状況じゃあね。」

目の前にいる男、リデストロを睨みつける。
彼の雰囲気が少し変わった。
しがらき達のコピー現れる。一緒に戦う。

「クッション用意しろ。タワー壊す。俺ならそうする」

あっぶな。なんとか着地の衝撃を和らげた。

しがらきが立っていた。ボロボロの姿で。しがらきの個性、こんなに威力あったっけ?

「どいてろ。俺がやる」

しがらきの戦闘の行く末を見守るのだった。