それは…
…
……。
………。
「(…構ってくれたっていいと思うな)」
「(兄さんの本は確かに面白くて時間を忘れる程だけどつまんない)」
「(何十回もその本読んだよね…)」
路地裏、ウィリアムは頬杖をつきながら樽の上に座っていた。
向かいの本に夢中になっているシュウを見つめながら。
ウィリアムは兄の本をからかいながら読んでいた男達からその本を奪い(男たちを殴り倒し)その帰りにシュウのとこへたまたまよった時だった。
シュウはウィリアムの手の中にある本を自分への土産かと思い奪って読み始めたのだ。
「(暇だから来たのに、もっと暇になっちゃったな)」
ふとシュウへと向けてる視線を外し足元を見ると何かがガサガサと動いていた。
「…?」
目を凝らしてみると黒い体足が多くみんなの嫌われもの。
「えっ……
うわぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
ばっと樽の上に立ち上がり向かいの樽に飛び移る。
向かいの樽にはシュウが座ってるわけでして。
シュウの頭へと手を伸ばし支えにしたところで後ろの壁へと押し付ける。
そして後ろの壁へと支えられているシュウの体を無理やり起こしその後ろへまわる。
その反動でシュウの体は顔面から地面へと叩きつけられた。
「ぶほぉっ!!!!!!!!」
ぶちゅっと音がした。
シュウが咄嗟に顔を上げると本の背表紙でみんなの嫌われものが潰されていた、
「ご、ごめんっ…」
未だにシュウの座っていた樽の上に乗っているウィリアムはその場でしゃがみこみシュウの様子を見て待つ。
「本……本……」
ちらっとうしろからのぞきこめばページもぐちゃぐちゃになり破けているところもあった。
「ご、ごめんね、兄さんの本、新品のやつあげるから。
ね、」
ぽんぽんと肩を叩くウィリアム。
こくりと微かにシュウが頷いたように見えた。
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星空