殴打
どがっと腹部を蹴られる。
今日の朝食べた物を吐きそうになった。
そして次に胸を蹴られる。
硬い石造りの建物の壁に背中を打ち付け一瞬息苦しくなった。
ぐっと前髪を掴まれ持ち上げられ地面に頭を投げつける様に。
ぐわんぐわんと視界が揺れまた腹部を蹴られる。
嘔吐感が押し寄せて食道を這い登って口内を胃液で溶けたモノで溢れかえる。
その気持ちの悪さに思わずその場で吐いてしまった。
口内に残る気持ちの悪い感覚を追い出そうと何回も何回も唾を捨てる。
それでも気持ちが悪いわけで。
つーっと頬を伝うものに触れてみてみると指先は赤く染まっていた。
それを拭おうと服の袖を伸ばし拭こうとした時肩を思いっきり中々一歩を踏み出せない人の掛け橋の様にぐっと蹴られる。
頭を打ち付けまたぐわんぐわんと視界が揺れ地面へ叩きつけられる。
「ちょっと女子にちやほやされるだけで」
「お前の兄貴狂ってる」
「政治家何て向いてない。今すぐ辞職させろよ。」
「貴方のお母さんは本当に全力を尽くしたの?私の息子は!!」
「君のお父さん、実は賄賂もらってるんじゃないの?」
肺が締め付けられる感覚が俺を襲い咳き込む。
一瞬何も聞こえなくなり見えなくなり感触を掴めず手が空中を蝶のようにさまよい叩き落とされた。
がっと顔を殴られ地面に体が落ちる。
それからもまた殴られ蹴られまた殴られ蹴られ、繰り返され。
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星空