桜のプール
それはいつも通りの午後三時。おやつの時間。
その日は特に仕事の依頼もなくただただ穴を掘り進めていた。
ざくざくと掘っていくと時々すごい出会いがあるもの。
なんか昔使われていた茶碗の欠片やらなんやら。
ざくざくと2mくらい掘って終わり。今日も頑張った。
そして俺はその場から立ち去った。
次の日、また続きを掘ろうとその場所に行ってみる。
わっと、驚いてしまった。
穴は塞がれていた。土ではなく花に。
桜の花びらが穴の中に。
そう言えばもうそんな季節か。
いや、ちらちら見たからわかるけれども。
花のプールになったそこの近くにしばらくしゃがみこむ。
ピンク色のそれを退けてまで作業をするのか。否、できない。
退けるのに日が暮れる、
いっそ燃やそうか?いや、あまり仕事以外で使いたくない。
じっとその場にしゃがみこんで思案した。
そして弾き出したように立ち上がり近くの大きな桜の木に登る。
シャベルをほおり投げて勢いよく幹にしがみつきよじ登る。
そして枝の上に立ち上がり周囲を見渡す。
この前掘った穴も一週間前に掘った穴も全て桜のプールになっている。
それはピンク色の湖ができたみたいだった。
少し微笑んでしまう。
いたっ
怪我しちゃった。
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星空