ほら


「あ、流れ星」

ぽつりと誰かが夜空を見上げ呟いた。
一人、また一人が夜空を見上げる。
次の瞬間にぶわっと、魔法でもかけたかのように流星群が流れる。
みんな笑顔できらきらと輝き消える隆盛を瞳に映していた。

妖精界では三千年ぶりとなる流星群。
きらきらと輝くそれを見ると何だか心が暖かくなる。
パチンっパチンっと音を立て流星は森へ落ちていく。
森に落ちる度に金平糖が弾け飛んで手のひらに落ちていく。

口に入れると甘くて思わず頬をおさえて喜ぶ子供達の姿が見えた。
流星群が森へ落ちるからもう、そこは金平糖の雨になっていた。
ちくちく痛いけど甘くて美味しい。
地面に触れるとパチンと美しい光となり弾けて消えた。

幻想的な不思議な出来事に皆目を瞬かせ楽しんだ。
最近仕事が多く苛立ちを覚えていた大人の妖精たちもみんな子供にかえったかのように金平糖を集めた。

きらきらと輝く星と金平糖を上手にバケツの中にいれていく者もいた。
流星はやみ、次第に金平糖もふらなくなった。
最後の一粒が誰かの手に渡ると各々とみんな帰っていく。
また仕事だ。

最後の一粒をゆっくり口に放り込み誰かはつぶやいた。

「甘い。」

ゆっくり、ゆっくりと口元に弧を描いた。



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星空