俺の後ろに隠れてフルフルと首を横に振る白川ちゃん。正直、猛烈に抱きしめたい衝動に駆られた。

俺と夜久とはそこそこ話せるようになったけれど、まだこの人数相手は早かったらしい。俺のジャージを握りしめる小さな手が少し震えている。

見かねた夜久が白川ちゃんを皆に紹介する。俺からも白川ちゃんが人見知りであることを説明するために口を開く。

言わなければいけない最低限のことは伝えたため、どうしようかと夜久を見ると、夜久も俺と同じような顔をしていた。

部員たちも空気を読んで静かにしてくれてることだし白川ちゃんを説得してみようかと、口を開こうとしたとき後ろから小さな声が聞こえた。

少しかがんで、白川ちゃんと目線の高さを近づけると続けて小さな声が聞こえた。聞き取れた瞬間、本当に抱きしめそうになったがなんとかそれを抑えて白川ちゃんの頭に手を置く。

うっすらと涙を浮かべて俺を見る白川ちゃんにブワリと顔が赤くなったのが分かって思わず顔を逸らした。

あぁ…俺、白川ちゃんが好き、なんだ。

2017/4/15 執筆


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