「ごめんな、一日中借りてて」

放課後、そう言って差し出されたシャーペンを受け取って首を横に振る。困ってる人を助けることは大事なことだよ、っておばあちゃんが言ってたから…

「白川ちゃん、今暇?」

「え、えと…」

椅子に座って、こっちを見ながら首を傾げる黒尾くんに小さく頷く。ほんとは怖いし早く帰りたいけど嘘つくのは申し訳ないから…。

「じゃあ俺とお話でもしない?」

「わ、私で…よ、ければ」

にこりと笑う黒尾くんに逃げたい気持ちを抑えて頷く。どもっちゃうのはしょうがない。だって、怖い。

「白川ちゃんさ、俺のこと苦手でしょ?」

「ぅえっ!?そ、そんな…」

「大丈夫大丈夫、怒んないから」

「え、えと…その…はい…」

「だと思った。今もほんとは早く帰りたいんだろ?」

「な、なんで…」

いつもみたいに口角が上がるだけの怪しい笑顔じゃなくて、お腹を抱えて笑う黒尾くんに少し固まる。けれど私の考えてることが全部バレてて。やっぱり黒尾くんは怖いです。

2017/4/15 執筆


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