同窓会なんて行かなきゃ行かなくていいんだ

同窓会に参加した霧崎、会場に入った瞬間に囲まれて身動きが取れなくなった花宮と葉月に対して「やっぱり捕まってるわ…」とそそくさその場を離れる古橋、瀬戸、原、ザキ。

参加した女子の半数は花宮の周りにいるし、男子の半数は葉月の周りにいる。少しするとそれは逆になって同性にも囲まれる。

ろくに食事も出来ないまま注がれる酒だけを飲み続けていれば当然酔いも回るというもの。「ごめん、少しお手洗いに」と上手くその場を離れて「チッ、すきっ腹でやっすい酒ばっか飲んでられっか。おい、次の店予約しとけ」って古橋、瀬戸と話してる花宮に対して、中々抜け出せない葉月。

「ごめんなさい、少しお手洗いに…」ってその場を離れようとしても酔った男子達が「え〜!俺たち一緒に行こっか?」「いっぱい飲んでるし一人じゃ危ないっしょ!」って肩組んできたり腕掴んできたりして、それを躱したと思ったら別の男子に同じことされて、の永遠ループ。

いい加減に手が出そうだと少し強引にその場を抜けようとしたら足を引っ掛けられてぐらっと前のめりに倒れそうになるけどふわっと抱き止められて「もう酔ったのかよ、大丈夫か?」って上から降ってきたザキの声に「来るのがおっせェんだよ」と言いそうになるのを堪えて「ごめん、ありがとう」って笑う。

そのまま流れるように原とザキに連れられて会場の外に出て「だぁァア!くッそ…!ンだアイツらきっしょく悪い!」って苛立ちを隠しもせずにチィッ!って舌打ち。

「いやよく我慢してたね?」「は?来んのが遅ェんだよ、さっさと来いよ」「いやガラ悪。どんだけイラついてんだよ」って原とザキが笑う。

「たばこは?」「吸う」「どっちのがいい?」「強い方」「んじゃ俺だな」ってザキのたばこ奪って思いっきり吸って「ぁぁあああ……最高」って。

「次の店は?」「瀬戸が取ってる」「花宮もまもなく行くってよ」「よし酒だ酒。高いの飲もう」「さっきまでそこそこ飲んでたろ」「あんなの酒って言わないから」結局ちょろっとだけ参加して二次会は六人で良い店行って食って飲んで三次会でダーツかビリヤード行ってザキの家に帰ってくるんだよな。

いつもと変わんね〜じゃん?って思うけど花宮とマネにストレスがいつもの5億倍かかってて二人の機嫌がいつもの5億倍悪いんだよな。だから二人ともいつもより酔うよね。

「マジでアイツら世が世なら打首」
「何罪?」
「不敬罪に決まってんでしょ」
「お前いつから王族になったの?」
「たった今」
「おい王族の俺らに酒持ってこい」
「最低だよこの王族」
「さては二人とも酔ってるな?」
「酔ってねーよバァカ」
「酔ってないわよバカじゃないの」
「酔ってんじゃねーか」
「まってこのモードのコイツらダルいからやなんだけど」
「は?なに?不敬働いた?」
「愚弄したな?はい打首」
「ねぇ〜〜めんどくさい〜〜」

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