「…慶」
「はい」
「な ん で こ う な っ て る の ?」
「すみませんでした!」



背後に般若が見える梓の前で正座をする太刀川。その後ろには散らかりに散らかった太刀川の部屋があった。



「足の踏み場もないじゃん!どうやったらこうなるわけ!?」
「いやー、最近忙しかったんだよなー」
「は?」
「イエ、ナンデモナイデス」



文句を言いながら部屋を片付ける梓。1週間ほど家族で旅行に出かけている間に何をどうしたらこうなるのか心底疑問である。



「あー!もう!なんで自分で片付けしないわけ!?」
「梓がやってくれるだろ?」
「あんたねぇ…」



一通り片付け終わりソファに座る梓と太刀川。ドヤ顔でアホなことを言う太刀川に心底呆れる。



「梓だってそうだろ?」
「…まぁ、そうだね」
「え、」
「なによ」
「あ、いや、」



バカじゃないのと一蹴されると思っていたのに返ってきた肯定の返事に目を丸くする太刀川。



「珍しいな、デレ期か?」
「うっさい、黙れ」
「梓、」
「なに、んっ…ふ、ちょ…っ」



いつもよりツンデレのデレが多い梓にグッときた太刀川は思わず梓にキスをした。完全に油断していた梓の舌を絡め取り深く口付ける。



「ん…ふっ、け…い、んっ」



途切れ途切れに呼ばれる自分の名前にまた興奮する。もう無理だと、肩を叩かれ口を離す。赤く染まった頬と潤む目にもともとないに等しい太刀川の理性は崩れ去った。


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