「つっまんねー」
「することねぇなー」
「んーランク戦する?」
「「する!」」



ラウンジのソファに座る出水、米屋、梓。梓の提案に即答で答えた出水と米屋はほぼ同時に立ち上がった。



「さすがにバカ2人を相手にするのはきついかな」
「バカって誰のことだよ」
「お前だろ、弾バカ」
「は?槍バカだろ?」
「どっちもだよ、バカ2人」



そう言いながら梓はブースに向かう。



「どっちが先?」
「え、全員でよくね」
「えー、疲れるから嫌なんだけど」
「じゃあ、3人で」
「ふざけんな、弾バカ」



文句を言いながらも始まった3人でのランク戦。B級ソロである梓だが戦闘スキルはA級の出水、米屋に負けず劣らずである。



「さて、どうしよっかな」



開始早々バッグワームを付けて隠れる梓。その数メートル先では既にバカ2人こと出水と米屋が戦っていた。



「私もいること分かってんのかな…」



当たらないとは思いつつトマホークを作り、弾道を設定する。梓が今いる位置からぐるっと回って反対側から飛んできたように見せかける作戦だ。とは言ってもA級の2人にこの程度の技は通用しない。



「あっぶねー!」
「あいつどっから撃ってんだよ!」



どっから飛んできたんだよ、とケラケラ笑う米屋とレーダーに映んねぇし!と怒る出水。そしてバックワームを解除し、カメレオンを起動する。近距離に持ち込んで不利になる米屋の背後に周りこんでカメレオンを解除する。



「うおっ!まじかよ!」
「アステロイド!!」



振り向こうとする米屋に威力全開のアステロイドを分割していない状態でぶん投げる。米屋の緊急脱出のアナウンスが流れ苦笑いの出水と目が合う。



「お前カメレオンとバックワームって…」
「たまには戦い方変えようかなって思って」
「変えすぎだろ、もろ攻撃手[アタッカ-]じゃねぇか」
「えー、そんなことないよー」



そう言うのと同時に一気に距離を詰める梓。



「メテオラ!」
「来ると思った!」



反射的にメテオラを撃ってくる出水にニヤリと笑いながらシールドを張りそのまま突っ込む。回し蹴りをする様に足を振り上げる。振り上げた足にはもれなくスコーピオン付きだ。



「ま、じかよっ!」



避け切れなかった出水の頭に綺麗に入った梓の回し蹴りにより出水も緊急脱出する。



「意外と攻撃手も行けるかも…!」
「行けるかも、じゃねぇよ」
「絶対弾バカみたいに撃ってくると思ってたんだけどなー」
「毎回同じだとつまんないじゃん」



ロビーに戻った3人はそれぞれ飲み物を飲みながら話していた。



「にしても、いつ攻撃手の練習したんだよ」
「玉狛行ってた、栞がノリノリで手伝ってくれたからさ」
「そりゃわかんねーわ、つか栞も絡んでんのかよ」



相変わらず爆笑の米屋と対象に嫌そうな顔をする出水。



「お前B級やめろよ」
「は?C級に戻れと?」
「ちげーよ」
「A級弾バカに勝てるんだからこの際梓もA級弾バカになれよ」
「私今日ほとんど撃ってないけど」



ギャーギャーと騒ぐ3人にこの後梓がA級に昇格するニュースが届いたのはまた別のお話。


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