『うまいこと言うね』で『ロマンティック』なワンシーン

〜〜〜

珍しくちゃんとした格好をした三角に連れてこられたのはおしゃれなレストラン。普段一緒に行く場所なんて公園やら猫集会やらで、たまに遊園地に行ったりするくらいなのに。どうして、と思いながら着いていく。

こうやって見るとやっぱり三角も成人間際の男の子なんだな、と改めて思う。半歩先を歩いてた三角が立ち止まって私に手を差し伸べる。エスコートなんてどこで覚えてきたんだか。そう思いながら、椅子に腰掛ける。

「ここ、綺麗だよね〜」
「ほんとに…。どうしたの?急に」
「いつもありがとうって気持ち〜!」
「そっか。私こそ、ありがとうね」

向かい側に座った三角がキラキラした目で話しかけてくる。多分、三角がひとりで考えたわけじゃなくて三好さんとか三好さんとか三好さんとかが結構な確率で関わっているとは思うけど、敢えて何も言わずに素直に受け取る。

出てきた料理はどれも本当に美味しくて、感動した。デザートが運ばれてくるまでの待ち時間、ゆっくりと外を眺めてた三角が口を開いた。外に向けていた視線と耳を三角に向ける。

「あの光、さんかくだね〜」
「うん、そうだね」
「なまえの目みたい」
「私の、目?」
「昼間は普通だけど、夜俺といる時はキラキラ光ってるから」
「な、っ…!何言って…!」

いつも通りの三角から始まって突然恥ずかしいことを口走る三角に思わず顔が赤くなる。普段は緩いのにいざと言う時はちゃんと男を見せる三角に翻弄されっぱなしだ。

「俺が、さみしいときもつらいときも、照らしてくれたのはなまえなんだよ」
「み、すみ…?」
「なまえは、俺の光で、大事な大事な宝物だよ」
「〜っ!なに、うまいこと言ってかっこつけてんのよ!」
「え〜?ほんとだよ?」
「わ、わかったから!こっち見ないで!…恥ずかしいなあ…」

急に真剣な顔をして言うものだから、どうしたらいいか分からずに戸惑う。図ったようなタイミングで現れたウエイターさんが小声で「いい彼氏さんですね」なんて言ってくる。今なら恥ずかしさで死ねるかもしれない。

顔に集まった熱を冷ますようにパタパタと手で顔を扇ぐ。普段は余計なことばっかりしでかす三好さんだけど、今回だけは感謝してあげてもいいのかもしれない。

『上手いこと言うね』


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