目が覚めたら、真っ白な部屋に立っていた。どこかで見たことがあるな、と思いながら部屋に唯一ある扉を見て確信した。前に、綴さんと閉じ込められた部屋だ。そして、案の定というか何というか、今回も一緒に閉じ込められたのは綴さんだった。

「あー…なんか、懐かしいな」
「そうだね…」
「前回はまだ付き合ってなかったから手首だったけど、今は付き合ってるし…口にする?」
「なっ…!?じ、冗談やめてよ…」

二人で顔を見合わせて、思わず苦笑い。そりゃあ、こんな短期間で二回も同じ部屋に閉じ込められたらこんなリアクションになっても仕方が無いと思う。

頬とか、当たり障りのない場所にキスしてさっさとこの部屋を出ようと思っていたのは私だけだったようで、綴さんからの提案に声が上擦った。

「冗談でこんな事、言うと思うか?」
「ま、って…!近い…!」
「近くしてるんだってば」
「楽しんでるでしょ…!」
「ははっ、バレた?」

すっと腰に回った手に肩が跳ねる。バッと綴さんを見れば楽しそうな顔。こういう顔をしてる時は私の反応を見て楽しんでる時だって、今までで学習済みだ。

それでも、いつもより近い距離に戸惑いを隠せない。必死に離れようと綴さんの胸を押すけれど男女の力の差は歴然で全く効果がない。むしろ、更に抱き寄せられて距離が縮まる。

「目、閉じて」
「っ…!まって…!」
「待たない」
「〜っ、!」

さっきまでふざけていたのに、急にすっと目が細められて声のトーンが下がる。あ、これは本気だと気づいた時にはもう遅い。逃げられないと悟って目をぎゅっと閉じる。

ゆっくりと、唇が触れる。いつもよりも長いキスにどうしたらいいのか分からず、手持ち無沙汰になっていた手で綴さんの服の裾を掴む。少しして、ゆっくりと唇が離れる。

「なまえ、」
「な、なに」
「もういっかい」
「っ、ちょっ…まって…っ!」

チラリと綴さんを見上げれば欲を秘めた瞳と目が合って、心臓がどくりと跳ねた。小さな声で呟かれた声に静止の声を上げようとしたけれど、塞がれた口ではそれも叶わなかった。

瞳が語る


口へのキス→愛情


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