目が覚めたら、真っ白な部屋に立っていた。最早、驚きもしない。というよりこの部屋に綴さんと閉じ込められて、禄なことがないのはもう立証済みだ。私が恥ずかしい思いをしているだけなのだから。
二度あることは三度あるとはよく言ったもので、ここまで来たら折角だし仕返しをしてやろうと隣に立っていた綴さんの腕を思い切り引く。突然のことに対応しきれなかった綴さんの体が傾く。近づいた頬に唇を落とせば、頬に手を当ててポカンとしていた。
「この間の仕返し、です」
「〜っ、!」
驚く綴さんにしてやったり、と笑って見せれば赤い顔でこちらを見ている。まっすぐ扉に向かって、扉を開けようと手を伸ばしたその時、反対の手が不意に引かれた。突然のことに今度は私がバランスを崩して後ろに倒れる。ぽすりと何かに受け止められた瞬間、やばいと直感的に思った。
「つ、綴さん?ドア、開いたよ?」
「ごめん、ちょっと今は無理」
「は?何が…、んっ…!?」
後ろから抱きしめられている為、恐る恐る顔だけ綴さんの方に向ける。そのまま顔を固定されて、口付けられる。突然のことに頭が追いつかない。何度も触れては、離れを繰り返すキスにどうしたらいいのか分からない。
「ね、綴さ…、まって…っ」
「煽ったのはなまえだからな」
「あ、煽ってな、んっ…!」
一度体が離れて、真正面から抱きしめられる。息継ぎをする間もなく降り注ぐキスに、なす術がない。頭がくらくらして、じわりと目に涙が滲む。
流れた涙を拭うように、綴さんの手が頬に触れる。足が震えて、崩れ落ちそうになるけれど、それすら許してくれない。腰に回った綴さんの手と、縋り付くように服を掴む私の手のお陰でギリギリ立ってられてる。
「つ、づるさ…っ!ま、っ…!」
「ごめん、もうちょっと」
仕返ししようなんて考えた私が馬鹿だった。なんで、こうなることを予想しなかったのだろうか。なんて、既に後の祭りだ。視界の端に写った扉を見て、もう少しこのままでと思ってしまった私も大概だ。
甘いキスにご用心
口へのキス→愛情
→
ALICE+