身長が伸びていた

ふ、と気が付いた。

「…駿の身長伸びてない?」
「気付いた!?気付いた!?」
「気付きたくなかった〜〜」

うげ、と思った私に対して駿の表情がどんどん輝いていく。いいよ分かった分かった身長伸びたんでしょ。良い良いもうそれ以上言わなくていいから。

「何センチになったのって聞いて!」
「何ミリになった?」
「一センチって何ミリ?」
「義務教育やり直してきて」
「今絶賛義務教育中!」

聞いて〜と背後から抱き着いてくる駿の重みに益々身長が伸びていることを実感させられてしんどい。皆してにょきにょき伸びるやん。タケノコかな。

「はいはい分かった分かった何センチですか」
「157!」
「聞きたくなかった」
「何でよ喜んでよ」
「ワーイウレシイナー」

お祝いと称してランク戦をねだって来た駿には喜んでいるところ申し訳ないが全力でボコらせてもらった。身長を縮めたい気持ちが先行しすぎて頭部ばかり狙ってしまったのは許して欲しい。

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