上陸したのは綺麗な花が咲き誇る春島。色とりどりの綺麗な花に大興奮の名前はキラキラと目を輝かせてマルコの裾を引っ張った。
「おはな!まるこ!みて!おはな!」
「お花、綺麗だねい」
「きれーだねぇー…すごぉーい…」
小さな手を頬に当ててうっとりとした顔をする名前に思わずマルコが小さく吹き出す。
花畑にしゃがみ込んで恐る恐るといった様子で花に触れるお姫様の隣に同じようにしゃがみ込んだマルコが白い花を一つ取る。名前の耳元に差して頭を撫でてやれば、花が咲くように名前が笑う。
「可愛いよい」
「ほんと?」
「ああ、ほんとだよい」
「えへへ、ありがとっ」
口元に手を当てて少し頬を赤らめて嬉しそうに笑う名前にマルコの口元もゆるゆると緩む。
じっと花を見つめる名前を眺めていれば、何かを見つけた名前が立ち上がって走り出す。少し離れた場所にしゃがみ込んだ名前だったけれど、少しするとすぐにマルコの元まで戻ってくる。
「どうしたんだよい」
「あのね、これね、まるこにあげる!」
「いいのかい?」
「うん!まるこのいろだよ!」
「嬉しいよい。ありがとうな」
しゃがみ込むマルコの真正面に立ってニコニコと笑う名前にマルコが首を傾げると、もじもじと恥じらうようにしながら小さな青色の花が差し出される。
わざわざ自分の為に末妹が探してくれたとなれば嬉しくない訳が無い。くしゃりと笑ったマルコが名前の頭を撫でれば、大好きなお兄ちゃんが喜んでくれたことが嬉しかった名前もくしゃりと笑う。
その後、暫く花畑で遊んでいた名前だったが何を思いついたのか少しだけ考えるような素振りを見せ始めた。
「みんなにおはなもっていったら、よろこぶかなぁ?」
「そうだねい。皆、お前からのプレゼントだって言ったらきっと喜ぶよい」
「じゃあ、みんなのおはなさがす!」
「なら、俺も手伝おうかねい」
「ほんと!?まるこ、ありがとー!」
大好きなお兄ちゃん達へのお土産だと、そう言って笑った名前が花を探し始める。
赤いお花はエースに、黄色いお花はサッチに。そして、白くて大きなお花は大好きなおやじいに。あっという間に両手にいっぱいの花を抱えた名前は、お兄ちゃん達が喜んでくれる姿を想像していつもの様に「くふふっ」と笑った。
それから暫くの間、船の中では海賊船には似ても似つかないような小さなお花を大事に飾るクルー達の姿が見られたとか……。
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