ナンパは無視しろ

「ねぇ、いいじゃん。ちょっとだけだし」
「友達も一緒でいいからさ。遊びに行こうよ」
「……何してんの」
「葉月ちゃん!」
「しっかり絡まれてんじゃないわよ」
「葉月ちゃんのアドバイス通り無視したのに全然引き下がんなかったよ?」
「そういうタイプは力でねじ伏せんのよ」
「脳筋じゃん」
「え?マジ?友達も超可愛いじゃん」
「俺黒髪めっちゃ好きなんだよね」
「ほら行くよ」
「あ、ほんとに無視なんだ」
「当たり前でしょ一々相手にしてらんないわよ」
「いやいやいやさすがに無視はやばいっしょ」
「自分達の状況分かってる?行かせる訳ないじゃん」
「…ここまで無視されてまだワンチャンあると思ってる頭にびっくりなんだけど。そのドブみたいな色の頭に何詰まってんの?ババロア?」
「罵倒のレベル高すぎて怖い」
「調子乗んなよ、テメェ!」
「優しくしてりゃつけ上がりやがって!」
「テンプレヤンキーかよ。めんどくさ。アンタ達こそ自分の状況分かってる?今んとこか弱い女の子に手を上げようとしている悪い男にしか見えないけど」
「て、っめぇ…!ふざけんじゃねェぞ!」
「あ、おまわりさ〜ん」
「おいやべえって!逃げんぞ!」
「チッ…!クソッ!後で覚えとけよ! 」
「最後までテンプレじゃん。面白くなさすぎ」
「葉月ちゃんいつか刺されそうだね」
「なんで?」
「恨み買って」
「辞めてよ、原じゃあるまいし」
「原くんもそういう感じなんだ?」
「女関連」
「うわ…」
「その反応が正解」
「ええ…そっか…そういう子なのか…」
「何びっくりしてんの。ウチにまともなのがいる訳ないじゃん」
「葉月ちゃんも変だもんね」
「さーて、帰るか〜」
「待って待って冗談だって〜!」

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