囚人のジレンマ

「あれでしょ。黙秘か自白かってやつ」
「そう!あれね、今吉とやったら私が黙秘で今吉が自白だったの」
「うわ…やだわあ…」
「待って早くない?今吉曰く私は黙秘できないんだってさ」
「それはわかるけど…へぇ…あっそう…」
「なに?何が引っかかるの?」
「いや別に…」
「別にって顔じゃないよ。教えてよ!」
「いや、ただ普通にあの人は陽ちゃんなら自白にすると思ったから自白って言ったんでしょ?」
「多分ね?」
「それ、陽ちゃんも自白してたら2人揃ってめでたく牢屋の中って事でしょ」
「うん…?そうだね…?」
「ほんとに分かんないの?陽ちゃんと一緒に地獄でも何でも行ってやるよってつもりで自白にしたんじゃないの、あの人」
「…ぅ、わ…」
「顔真っ赤じゃん。ウケる」
「待って、撮んないで…!ぇ、ちょっと…うわぁ…!」
「ま、その結果陽ちゃんだけが牢屋にぶち込まれる羽目になっちゃった訳だけどね」
「もう、すっごい悪い顔するじゃん…」
「ちなみにだけど、私とだったらどうする?」
「えぇ…葉月ちゃんと…?」
「そ。私と。せーので答えてね。せーの、」
「えっ、まっ、も、黙秘!」
「自白」
「えええ!なんで!?」
「陽ちゃん私なら黙秘って思ったでしょ」
「思ったよ!だから黙秘にしたのに!」
「私、いい子じゃないからさぁ。陽ちゃんが黙秘にするなら自白にしよっかなって。ほら、そしたら私は牢屋に入らなくていいじゃない?」
「とか何とか言うけど、本当にそういう場面になったら葉月ちゃんは黙秘するでしょ」
「…なんで?」
「だって私が葉月ちゃんを信じて黙秘するって、葉月ちゃんは分かってるから」
「なにそれ。随分自信満々だね」
「勿論。だって葉月ちゃん、私のこと結構好きでしょ?」
「その顔、ムカつくね」
「あはは!嫌そうな顔!」

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