もう少し自分を感情に入れて欲しい

夏の合宿の最後のBBQで片付けの時に誰かがぶつかって倒れてしまった炭から選手を守ろうとして腕に結構な火傷を負った雛。「〜ッ…、」って熱さと痛みで腕を押さえてしゃがみ込む雛の元にみんなが慌てて駆け寄って声をかける。

「縁下!氷!冷やすものなんでもいいから持ってこい!」って菅原が叫んで、「リエ-フ!先生呼んでこい!すぐ!」って夜久が叫んで指示を出す中で「雛!大丈夫…じゃないよな。ちょっと我慢しろよ」って痛みに耐える雛の肩を優しく撫でる澤村。

黒尾が外の水道の場所まで雛の肩を抱いて連れてって「痛いと思うけど、ちょっと我慢してね」って海が火傷した場所に当たらないように水をかけてくれて「〜〜〜ッ、」ってぎゅうっと目をつぶって痛みに耐える姿に1年ズがおろおろ。

縁下が持ってきた救急箱からガーゼやら包帯やらいろんなものをガシャガシャ出して慣れない手つきで3年ズが手当てしてくれてそのまま先生たちに連れられて病院へ。迅速に冷やしたことと、触れた時間が短かったお陰で大事には至らずに薬をもらってその日中に帰ってくるけど腕は結構大事にされてるから皆(そ、そんな酷いの…?)って狼狽える。

「ご迷惑、おかけしました…」って困った顔をする雛に「迷惑なんかじゃないよ。ほんとに、大事に至らなくてよかった」って東峰がホッとした顔で頭を撫でるから「手当てが、迅速だったから大事にならなかったって、先生が言ってたから、ありがとうございます」ってふにゃっと笑う。

「そこまで酷くないとは言え、火傷は火傷。怪我は怪我だからな。間違ってもその手でバレーしたりするなよ」って澤村に念を押されて「し、しませんよぅ…」って語尾小さくなりながら返事したら「とか言って、雛は反射でやっちゃって『あ、』とか言うんだよな〜」って菅原がけらけら笑いながら頭をがしがし撫でてくるから「し、しませんよぅ…」って益々声小さくなっちゃう。

苦笑いの東峰にも「雛ならやりそうだけど、ほんとにダメだからね」って釘刺されて「旭さんにまで言われた…!?」ってシヨック受ける。黒尾には「ほんと…心臓に悪いわ…」ってガックリ肩を落とされて「え、あ…ごめんなさい…?」って謝ると「ん、次はああいうの無しな。頼むから」ってほっぺを人差し指の背中でするっと撫でられて「ぜ、善処します…!」ってなる。

それを聞いてた海が「それまたやるやつだなぁ」ってからから笑うから「や、やりません…!」って返すけど全然信じてもらえてなくて「うん。しないように頑張ってね」ってぽふぽふ頭を撫でられてうぐぐ…って黙っちゃう。夜久には怖い顔で「お前なぁ…」って言われるから夜久に怒られた呆れられたってショックで「ご、ごめんなさぁい…」って声が小さくなるし泣きそうになる。

「跡残ったらどうすんだ、このバカ」って頭をチョップされて「ほんと、酷くならなくて、よかったよ」って呆れたようなしょうがないなと言わんばかりの顔で眉を下げて笑う夜久に謝ることしか出来なくてしょんぼりしてたら「〜〜ッ雛さぁぁあん!!」って後ろからデカい奴が飛んでくる。

「うっぐ、げほっ」って勢いに負けて咳き込んでたら肩にぐりぐり頭を押し付けられて「雛さんんんん」ってリエ−フがべしょべしょ泣くから「ちょっと泣かないでよ。平気だって」って思わず笑っちゃう。「だって、だって雛さんのうでに、」って言うから「うん。平気だよ。病院でも大丈夫って言われてるから」って頭を撫でれば「よかったぁぁああ」ってまたべしょべしょ泣かれるから笑っちゃう。

「ほんとに、心臓止まるかと思ったんだぞ」って縁下を筆頭に2年ズにも怖い顔をされて「お前マジで…!マジでそういうとこ…!」「なんで自分を勘定に入れないんだよお前は…!」「ほんともうちょっと自分のこと考えろお前!」って総出で怒られてもうたじたじ。

「ご、ごめん…」って謝るけど全然許して貰えそうになくて諦めるよね。日向と谷地にも「雛さんよかったぁぁあああ」って泣かれるし、影山と月島には「なんであそこで自分の手で守ろうって考え方になるんだ」って怒られるし、山口にも「雛さんはもう少し自分を勘定に入れた方が…」って言われてガガーン!ってショックを受けるよ。

孤爪と赤葦には「バカ、ほんとバカ」「ぅぐっ…」「なんであそこで手が出るの」「ご、ごめんなさい…」「選手が傷付くくらいなら自分が、とか思ったんでしょ。ほんとバカ」「そ、その通りでございます…」ってバチくそ怒られるし「雛が怪我してみんなが良かったって思うとでも思った?」って言われて「か、返す言葉も…ございません…はい…その通りです…」ってもうどんどん小さくなる。加えて清水からも「もう、二度とああいうことしないで」って涙目で言われるから罪悪感で死にそうになってしまうね。

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