練習中にふと違和感を覚えて孤爪の所に駆け寄った雛。「研磨、大丈夫?」って声かけたら「え、だい、じょうぶだけど…」って怪訝な顔されるから孤爪の頬を両手で包んで無理やり目を合わせて「嘘。ほんとは大丈夫じゃないでしょ」って眉間に皺を寄せる。
バツが悪そうに孤爪が目を逸らすから「研磨、」ってもう1回名前を呼んだら「……ごめん」って言われるから「謝るくらいなら無理しないでよ、ばかじゃないの」って困った顔で孤爪を座らせる。ボトルを渡してタオルでわしわし頭を拭いてから「平気?」って顔を覗き込む。
「平気。ちょっと、頭痛かっただけ」「薬は?」「いらない。そこまでじゃないし」「そっか、ちょっと横になる?」「ここで?」「うん。ここで。私の膝を貸してあげよう」「…えぇ、絶対各所からなんか言われるやつじゃん」「エッ各所ってなに……」「なんでもない」ってもだもだするけど頭痛いことに変わりは無いから雛の膝に頭を乗せて横になる。
目元に濡らしたタオルを乗せて目を閉じる孤爪をぱたぱた団扇で扇ぐ雛に「よく気付いたな」って黒尾が声をかけてくる。「プレーにいつものキレが無かったから、変だなって思っただけです。たまたまですよ」って笑う雛に「いやいや、それでも気付かない奴は気付かないでしょ。ありがとな」って笑って頭をくしゃっと撫でれば、一瞬キョトンと目を瞬かせてからふにゃっと笑って「これでも、マネージャーですから」って照れくさそうに言うから本気で欲しくなっちゃうよね。
「雛ちゃんマジでウチ来ない?」「エ、行きません」「いや返事早すぎな。もうちょうい悩んでくれてもいいんでない?」「いやあ…引っ越しとか転校とかそういうの手続き大変じゃないですか」「あ、そっち」「えっ、どっちですか」「いやみんなと離れるのが嫌とかそういうのじゃねーのな」「ああ、まあそれも無くはないですけど…離れたから友達止める訳でも無いですし…そこはそこまで気にならないと言うか…」「ほんと、案外ドライよね。雛ちゃん」って話してる。