雛が小さくなるIF。縁下に連れられて体育館に姿を現した瞬間、皆の驚きの声と視線が集まるからびっくりした雛がきゅうっと縁下の首に腕を回して隠れるように顔を肩に埋めて「みんな、びっくりしてる…」って小さな声で呟いてる。
「ごめんね、びっくりしたね」ってとんとんって背中を叩いてれば「縁下さん?そちらの子は…?」って木下が恐る恐る近付いてくる。「あー…理由は後で話すとして、雛なんだよ。この子」って言うから「雛!?」ってびっくりして声をあげれば怯えたような目で見つめられて心臓が痛い。
「声でかい。雛がびっくりするだろ」って怪訝な顔の縁下に「わ、悪い…えっ、と…?雛?」ってちょっと顔を覗き込むように屈めば「おにいちゃん、だぁれ…?」って小さな声で返ってくるから名前を伝えれば「ひーくん?」って呼ばれて心臓ぎゅん。成田も「かずくん」って言われて心臓ぎゅん。
「よろしくな、雛」って成田が頭を撫でれば「おともだち、なってくれるの?」ってくりくりの目で見つめられるから「なってくれたら嬉しいな」って笑い返す。「えへへ、いいよぉ」ってふにゃふにゃ笑って成田の人差し指をきゅっと握りしめる手があまりにも小さくて柔らかくて益々メロメロ。
すぐに食いつくと思ってた西谷が全然寄ってこないから「西谷?」って縁下が首傾げれば雛も釣られるように一緒に首を傾げて西谷を見る。それから「ちからくん、おろしてぇ」ってぴしぴし縁下の肩を叩くからそっと下ろせば、てててって走って西谷の足元に向かって「おにいちゃん、おなまえおしえて?」ってジャージの裾をくいくい引っ張って言うから、西谷もびっくりして目をまん丸に見開く。
でもすぐにしゃがみ込んで「西谷夕ってんだ。よろしくな、雛」ってニカッと笑えば「ひひっ」って笑って西谷にぎゅっと抱きつくから反射的に抱きしめ返す。記憶があってもなくても、雛にとっての西谷って特別なんだなって皆がしみじみ思う。その後「なんで遠くから見てたんだ?」って田中に聞かれた西谷が「だってアイツ、ビビってたろ。皆で声かけたらダメそうだったし」って言うからお互い特別な相手だと思ってるんだなって皆笑っちゃう。