彼氏ではないです

体調悪くて大会会場の廊下でしゃがみ込んじゃった雛。鳩尾のあたりが締め付けられるように痛くて呼吸するのも苦しくてどんどん息が浅くなっていく。ひゅうって変な音が鳴って(あ、これダメ)って思ったのと同時に「雛!?」ってたまたま通りかかった角名が駆け寄る。

「りんっ、り…っひゅぅ、っ…」って明らかに呼吸のおかしい雛を見て「っ、雛?俺の事見て、ゆっくり息して。大丈夫だから」って自分の胸元に引き寄せる。背中をゆっくり撫でて呼吸を落ち着かせようとしてくれる角名にぎゅうってしがみついて「ひ…っ、ひゅっ、ぅ…っ、けほっ、」って必死に呼吸を整えようとする雛がいるから「うん。偉いね、上手だよ」って声をかけながらずっと背中を撫でながら抱き締めててくれる。

「角名〜…って、雛!?は!?ちょ、大丈夫か!?」って角名を追いかけてきた銀島が驚きで声を荒げて駆け寄ってきてくれる。すぐに様子がおかしいことに気が付いて上に着てたジャージ脱いで雛の肩にかけてあげてから「水買ってくる」って走っていくから優しいね。

その間も角名が「大丈夫だよ。ゆっくり息して」って背中をずっと撫でてくれるから徐々に呼吸が落ち着いていく。「雛、大丈夫か?」って買ってきた水を差し出してくれる銀島に「ごめ…っけほ、けほっ、」って雛が泣きそうな顔するから「気にせんでええよ。それより体調悪いんやろ?顔色も悪いし…」って頭をぽんぽんって撫でれば「ちょっとだけ…」って雛が気まずそうに視線を逸らす。

「雛?」って支えててくれた角名の手に力が籠って低い声で名前を呼ばれるからビクッと肩を揺らす。「何で選手のことは気遣えるのに自分のことには無頓着なんだよ」ってため息をついた角名にふわっと抱き上げられて「ちょ、まっ…、おろして…!」って逃げようとするけどズキッと鋭く痛んだ鳩尾にたまらずくぐもった声が漏れる。

「いっ、たぁ…」って角名に体を任せれば「体調良くないのにそんな動くからだよ」って呆れた顔されて「ちゃんと医務室まで連れてったるから、大人しくしとき」って銀島にも頭をぽんって撫でられて「うん…ありがとう…」ってふにゃふにゃ頬が緩んじゃう。

医務室のベッドに寝かされて「烏野の人達には声かけとくから」って角名が頭を撫でて部屋を出ようとするから「まって、」って服の裾をきゅっと掴む。「あとで、ちゃんとお礼させて?」って言えば「元気になってくれればそれでいいよ」って笑ってひらひら手を振って部屋を出ていくからスタッフの人にも「彼氏さん?」って言われて「違います」って笑っちゃうね。

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