雛と及川がくっ付くIF。及川からの熱烈アピールにさすがの雛も(もしかして、及川さんって私の事好きだったり、する…?)って思ってしまう。「あ、はは…!まっさかぁ〜!」って誤魔化すんだけど1度気付いてしまったら何もかもそう見えてドキドキ。
画面を見たままフリーズしてれば「雛?どうかした?」って清水に聞かれて「うえっ、な、なんでも、ないです…」って答えるんだけど当然何でもないようには見えない。でも深くは聞かずに「…そう。何かあったらいつでも話聞くからね」って清水が優しく言ってくれるから「あの、えっと…その、」って恐る恐る話し始める。
朝と夜のおはようとおやすみのメッセージ、2日に1度は声が聞きたいとかかってくる電話。最低でも月に1度は一緒に出かけて付き合ってくれたお礼と称してプレゼントを渡される。その他にも日頃の発言や立ち居振る舞いがどうにも普通の友達との距離感では無いように感じる。
そう話した雛は当然本気で悩んでいるのだろうが清水としては気が気じゃない。どう考えても脈アリだ。なんなら脈アリどころではない。むしろこれで本気じゃないなんてことがあったら清水を含め烏野全員が手を上げそうだ。そう思いながら死にそうになる顔を何とか押さえ込んで雛の手を握る。
「雛は、どう思ってるの?」って優しく聞いてくれる清水に「ど、どう…?」って目をぱちぱち瞬かせる。「そう。メッセージも電話も、出かけるのも。全部、嫌だった?それとも嬉しかった?」「い、やではない、です。及川さん、優しいし、たのし、かった…けど、」って自分で話しながらぽぽぽ、って顔が赤くなってく雛がいる。
「嫌なら嫌って言っていいんだよ。嫌じゃないなら、それでいいの。私は、雛が楽しそうに笑ってる顔が大好きだから」ってふんわり笑って背中を押してくれた清水に「き、潔子さあああん…!」って抱きつく雛がいるから笑いながら清水が背中をとんとん撫でる。
「バレーだけじゃなく、何に対しても真っ直ぐに立ち向かう雛が、私だけじゃなく皆好きだから。雛が決めたことなら、応援するよ」って言われて雛の中で心が決まる。「わ、わたし…!まだ、好きとかよく分かんないけど、及川さんのことは、大事、です」って真っ赤な顔で言うから「うん。そっか」って清水が笑う。
「だから、ちゃんと話してきます。いまのままじゃ、及川さんから逃げちゃいそうだから」ってぎゅっと手を握りしめる雛に「もし、嫌なことをされたり、悲しくなることをされたら教えてね」って清水も手をぎゅっと握って言うから雛がきょとんと首を傾げる。
「私が、雛の代わりに及川のことぶん殴ってあげる」って冗談っぽく清水が言うから堪らず雛が声を上げて笑って「あはは!潔子さんかっこよすぎる!じゃあ、もしもの時はお願いします!」って2人で笑い合う。及川の所に行ってきますって走って行った雛の背中を見て「…雛のこと、泣かしたら絶対許さないから」って及川に念を送る清水がいる。
その頃雛は学校を出て及川に電話をかける。突然の電話に困惑しながらも「もしもし?珍しいね、雛ちゃんから電話してくれるの」って及川が嬉しそうに電話に出れば「及川さん、今から会えたりしますか?」って雛が言うから及川もびっくり。
「えっ今?」「今です」「いいけど…何かあったの?」「……何かありました」「エッ!?ちょ、ちょっと待って、何かって…いや、今どこにいるの!?」「今青城に向かってます」「急だね!?」って猪もびっくりの猪突猛進ぶりに及川が驚くけど雛から会いたいって言われることなんて今まで無かったからちょっとドキドキしてるのもまた事実で「チョロ川じゃん」「絶対雛ちゃんでしょ」「ニヤニヤすんな気色悪ィ」「全員黙って」ってワイワイしてるよ。
バタバタしながら正門に向かって烏野の方に向かおうとしたらちょっと離れた所に雛を見つけて思わず走り出す。「雛ちゃん!」「及川さ、わぁ…ッ!?」「ッぶな…!」ってひっくり返りそうになった雛に思わず手を伸ばして受け止めれば及川よりもずっと小さな体がぽすんって飛び込んでくる。
「平気?足とか捻ってない?」「っ、及川さん!あの、わたし、及川さんのこと、嫌じゃないんです…!」「うん?何?」「メッセージ来るのも、電話するのも、遊びに行くのも、全部たのしくて、」「……うん」「いま、及川さん何してるかなって思ったり、するんです」って一生懸命話す雛に及川の頬がちょっとずつ赤くなっていく。
「だから、」「待って。それより先は、俺に言わせて」って雛の言葉を遮って及川が声をあげるから堪らずきゅっと唇を噛み締める。「…もう、分かってると思うんだけど、…ッ雛ちゃんのことが好きです。俺と、付き合ってくれませんか」って赤くなった顔で真っ直ぐ見つめられて雛の顔もぶわわわッ!って真っ赤になるから及川もつられて赤くなる。
「返事、聞いてもいい…?」って及川に言われて返事をしようとしたけど、声が詰まったように出てこなくて口を何度かぱくぱくさせてからちっちゃな声で「すき、」って雛が言うから思い切り抱きしめちゃう。「〜〜ッやっばいね、すっげぇ嬉しい」ってしみじみ言う及川の声が耳元で聞こえてくるから「おいかわさん、みみやだ…!」って雛がもぞもぞ腕の中で動く。
顔を覗き込んで「なに?電話でいつも耳元で聞いてるでしょ」って言えば「電話と違うんだもん…!」って真っ赤な顔で震えてるから「…雛ちゃん、キスしてもいい?」って両手でほっぺを包み込む。「ぁぅ…い、いま…?」「うん。いま」「な、なんでいま…」「可愛かったから?」「ど、どこが…!」「全部かな」「んぅ、」って唇を重ねれば雛が目を見開いて固まるから吹き出して笑っちゃう。
「あー、可愛い。俺、幸せすぎて死ぬかも」「いま、いま…!」「はいはいキスしちゃったね〜。ドキドキするね〜」「〜〜ッば、ばか!!!」「はいはいバカバカ」って雛を抱き締めて小さい子をあやす様に背中をとんとん叩けば、反撃するように胸元がどんどんって叩かれるから益々笑う。
「何その可愛い攻撃」「可愛いって言わないで!」「なんでさ。可愛いじゃん」「〜〜ッ今までそんなこと言ったこと無かったじゃないですかぁ…!」「そりゃ彼女なんだから言うでしょ」「か、かの…!?」って腕の中でぴいぴい文句言いながら顔を真っ赤にする雛が可愛くて可愛くてしょうがない。
もう1回ぎゅっと雛を抱きしめて、まんまるのおでこにちゅっとキスを落とした及川が「これからも、よろしくね。雛ちゃん」ってふんわり微笑めば、真っ赤な顔で「…よろしく、おねがいします」って小さな声が返ってくるからまた笑っちゃうよ。