囮ではあるけれど危険なことはさせません

マフィアパロの雛。雛を言葉巧みにホテルに連れて行った男の元に青城3年組が乗り込む。「随分楽しそうなことしてんじゃん。俺も混ぜてよ」って背後から声をかけた及川に驚いて男が振り返るのと同時に及川の長い足が腹部にめり込んでベッドから転げ落ちる。

ベッドから落ちた男の元に更に足を進めて「テ、メェ…ッ!」って飛びかかってこようとする男の顎下を蹴り上げる。「あの子をどうにか出来れば、俺たちに一泡吹かせられると思ってたんだろ。甘いんだよ」って男の頭を踏みつけて「最初から最後まで俺たちの思い通りに動いてくれて、助かったよ」って笑うから男が「は…?」って顔色を悪くする。

「やっぱり気付いてねぇじゃねぇか」って呆れた顔する岩泉に「ま、気付いてたらここに来てないか」って松川もバカにしたように笑う。「どういうことだ…!」って怒鳴る男に「お前が俺たちに手出したそうだったから出させてあげたんだよ」って花巻が笑って教えてあげるけど、どういう意味なのかさっぱり分からない男がいる。

「この理解力の無さでよくウチに手出そうなんて思えたね」って及川が鼻で笑って男にゆっくり銃口を向ける。及川の「お前が、今日あの場所に来ることを分かっててあの子を送り込んだんだよ」って言葉で全てが分かった男がわなわなと震える。男が今日の、あの時間、あの場所に来ることを最初から分かっていた。だから、声がかけやすいように雛一人で出向き、声をかけさせた。一度声さえかけられれば、後はどこに向かおうと雛のブローチについた発信機と盗聴器で居場所はすぐに分かる。

つまり男の動きは何から何までお見通しで、最初から最後まで及川達が思っていた通りの動き方をしてくれていた、ということになる。「さて、と。こっちの種明かしは終わったから…次は君の番だよ」ってにこりと微笑んだ及川が男の前にしゃがみ込む。もちろん銃口は真っ直ぐに男を向いている状態で反撃も反論もできない男はぐっと押し黙ることしかできない。

「なるほどね。話したくないわけだ」って困ったなぁって顔で肩を竦めた及川だったけど「ま、いっか!」っていとも簡単に男から銃口を逸らしてくるりと男に背を向ける。それを好機と受け取った男が飛びかかろうとするけど岩泉の重たい蹴りを食らって一発KO。

「さっきも言ったろ。お前が手出したそうにしてたから出させてやったって。いい加減学べよ」って呆れたように言いながら意識を失った男を拘束する。「結局お持ち帰りかよ」「どうせお持ち帰りするなら雛ちゃんがいいな」「させねーよ?」って花巻と松川が雛を間に挟んできゃいきゃいしてれば及川が雛に向かって手招きする。

ととって駆け足で及川のところに行った雛が「どうしたんですか?」って首を傾げれば「囮みたいなことしてごめんね。でも、雛ちゃんのお陰で助かったよ。ありがとう」ってふんわり笑った及川に頭を撫でられるから嬉しくてゆるゆる頬が緩んじゃう。

「ほんと?」って嬉しそうに笑う雛に「ほんと。演技だって分かってたけど俺も騙されそうだったもん」って言えば「うへへ、じゃあこれからもいっぱい囮やるね」ってウキウキしながら返されるから「それは大丈夫」って思わず止めるよね。

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