バレンタインデーに作ったお菓子を小分けにして包んで青城に持って行く雛。事前に「チョコ渡しに行きますね!」って宣言されてた及川は朝からそわそわしてて皆から「うるさい」「態度がうるさい」「浮かれすぎ」って散々言われるけど今日に限っては全く気にならない。
放課後になって雛に連絡したら「もうちょっとで着きます!」って言われて正門でウキウキしながら待ってたらデカめのトートバッグを持った雛が駆け寄ってくるから(どれだけ大きなチョコを!?)って期待も高まってく。
「ごめんなさい!待たせちゃいましたよね」って申し訳なさそうに眉を下げた雛に「ぜ〜んぜん!俺も今来たところだから。むしろ、俺こそこんな寒いのに来てもらっちゃってごめんね」って寒さで赤くなった頬を温めるように両手でぎゅっと包み込めば「あ、及川さん手あったかい」ってふにゃんって雛の顔が緩むから釣られて緩んじゃうよね。
「あ、これ及川さんにはっぴ〜ばれんたい〜ん!」ってトートバッグの中から可愛い水色のリボンが付いた包みを出してぱぱ〜ん!って高らかに掲げる雛がいるから「おお、可愛い。ほんとにもらっていいの?」って笑いながら聞けば「はい!むしろ押し付けたみたいになっちゃいましたけど」って苦笑いをする雛に「そんなことないよ。ありがとう。大事に食べるね」って微笑んで頭を撫でれば満足そうに笑ってるから可愛くてしょうがない。
でも、トートバッグのサイズの割には小さくないか…?と思ってしまった及川もいて「あのさ、一個聞いてもいい…?」って恐る恐るトートバッグを指差しながら「それ、他にも入ってたりする?」って聞いたら「はい!せっかくなので、皆さんの分も持ってきました!」って花が咲くような満面の笑みで返されるから「ほんと?アイツらも喜ぶよ。ありがとね」って返しながらも内心では(ですよね〜〜〜!?雛ちゃんに限って俺だけ特別とかないよね!!)って恥ずかしさでタヒたくなってる及川がいる。
「ほんとは直接お渡しできればよかったんですけど、さすがにこのためだけにお時間を頂くのも申し訳なくて…」ってしょんぼりする雛に「俺が代わりに渡しておくよ」って笑って言えばトートバッグごと渡されるからちらっと中を覗く。そこで初めて自分が渡されたものとはちょっと違うことに気付いて「あれ?」って首を傾げれば「あ、バレちゃいました?」っていたずらっ子みたいな顔で笑った雛が「実は、及川さんのだけ特別仕様なんですよ」ってふふって笑うから「え゛っ!?そ、そうなの…?」って思わず大きい声が出る。
「及川さんのは、皆さんのよりちょっと大きいし、ラッピングも頑張りました!」ってどや顔する雛に「なんで、おれだけ…」ってぽかんとしながら呟けば「そりゃあ、及川さんにはお世話になってますし、何より青城で一番仲良しで大好きなのは及川さんですよ」って人差し指を立ててしーって内緒ポーズしながら笑う雛に心臓撃ち抜かれない訳も無く心臓を押さえてしゃがみ込んだ及川が「ちょっっっと待って」って言うから「はぁい」ってくすくす笑って作戦成功!みたいな顔で笑う雛がいる。
「ホワイトデー、楽しみにしてて」って口元を手で押さえて真っ赤になった顔を隠すようにそっぽを向く及川に「わ〜い!楽しみにしてます!」って嬉しそうに雛が笑うから「ほんと、敵わないなぁ。雛ちゃんには」って微笑んだ及川が雛を抱きしめる。肩口に顔をうずめて「ほんとに、ありがとう」ってもう一回お礼を言えば嬉しそうな雛の声が返ってくるよ。